突然ですが、もしこんなゲームがあったとしたら、あなたはやりますか?
(※実際にはこのゲームは賭博にあたり、法律違反になりますので絶対にしないでくださいね)
ルール:サイコロを1回ふり、
・[1か2]が出るたびに1500円ゲット!
・[3か4か5か6]が出るたびに800円没収。
どうでしょう?
[1か2]が出ただけで1500円も貰えて、[3か4か5か6]が出ても800円しか没収されないなら
やったほうが得しそうですよね!
でも実は、このゲームは“多くの場合”損するように出来てるんです。
「実際にやる前からなんでそんなことがわかるの?」
と思うかもしれませんが、
“期待値”というものを勉強することでそれがわかるのです。
「期待値」とは、何かというと、「一回の試行で得られる値の平均値」のことです。
今回のゲームでいうと、「1回サイコロを振ると貰える金額の平均値」、
更にわかりやすく説明すると
例えば、たくさんの人がこのゲームをしたとして、その全員が得た(もしくは没収された)金額の和を
参加人数で割った値(平均値)です。
つまり「期待値」がわかれば
「このゲームをしたらどのくらい貰え(失い)そうか」
がわかるわけです。
期待値は、それぞれの事象の確率に値を掛け、それらを足し合わせることで出すことができます。
今回のゲームでいうと
1500円がもらえる[1か2]がでる確率は、サイコロ6面のうち2面なので、2/6、つまり、1/3(三分の一)です。
800円が没収される[3か4か5か6]がでる確率は、サイコロ6面のうち4面なので、4/6、つまり、2/3です。
それぞれの事象の確率に値を掛け、それらを足し合わせると、
1/3×1500 + 2/3×(-800) = -100/3 つまり -33.3333…
となります。
つまりこのゲームは、“順当にいくと”一回やるごとに約33円失うゲームだったのです。
恐ろしいですね……。
もしあなたが「出したいサイコロの目を自由に出せる能力」があるなど
なにか必勝法があるならやってもいかもしれませんが、
このゲームは“基本的には負ける”ゲームであることがわかっていただけましたか?
(一回ぐらいならマグレ勝ちするかもしれませんが、回数をたくさん重ねれば重ねるほど、
期待値通りに負けが嵩んでいきます)
このように、確率が関係することについてなら、
期待値を計算することで事前に危機を回避することができます。
そして、期待値は危機回避だけではなく、世の中にいろんなことに役立てることもできます。
(公共政策や、商業など、大人数を相手にした事業を行うにあたっては、ほぼ確実に
この「期待値」の考え方が使われているんです。)
ぜひ今回覚えた「期待値」を生活の中でも意識してみてくださいね。