実は数学の問題は、数学力さえあれば解けるというものではありません。
求められた解答を導くには、
問題文を正しく読み取る“国語力”が必要なんです。
例えば、数学の問題の
「結び文句」には以下のようにたくさんの種類があります。
①二つのグラフで囲まれた部分の面積の値を求めなさい。
②二つのグラフが交わるxの条件を答えなさい。
③二つのグラフが接するとき、その接点の座標を答えなさい。
④二つのグラフの関係を答えなさい。
⑤二つのグラフの共通の接線の方程式を、文字αを使って表しなさい。
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もし①のような結び文句なら、
最終的な解答には「5」や「12」などの数値で答えなければいけませんし
②のような結び文句なら、
例えば「-1
③なら、聞かれているのは接点の座標ですから
「(x.y)=(2.3)」といった風にこたえなければいけません。
おそらく数学で一番よく見るのは、①のように「値を求めなさい」と問われる“求値問題”ですが
だからといって問題を最後までよく読まず、
「なんとなくこの数値を出せばいいのかな~」
と解き始めてはいけません。
全く見当違いの途中式を作ってしまい、
「どこからどう手をつけても数値が出ない……」
と、大量の時間をロスしてしまうことになります。
国語力が求められるのは結び文句だけではありません。
図形でも確率でも関数でも、問題文で与えられた条件を正しく読み取ることは
意外と難しいのです。
「解答用紙に一番先に書いた図形から間違ってる」
「確率の計算以前に、そもそも状況の認識から間違ってる」
「条件の『接する』を『交わる』と勘違いしてる」
こういった解答は、じつはかなり頻繁に見受けられるものなんです。
「数学の勉強」というと、式や図形やグラフと向き合うことに集中してしまいますし
もちろんそれも大事なのですが、
文章を正しく読み取る習慣のようなものがないとそれらの努力も成果につながりません。
ぜひ、「問題文を正しく読み取ることは意外と難しい」ということを念頭に置いて、
一文一文じっくり、時間をかけて隅から隅まで読むことを
意識してみてくださいね!