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家庭教師のマナベスト 福井県 スタッフブログ

【理科】
梅雨に雨が多いのはなぜ?

2022/06/18


「夏」といえば天気がよくてカラっと乾いた感じがしますが

梅雨(6~7月)だけは例外で、雨が多く蒸し暑いですよね。



梅雨に多く雨が降るのは日本付近に梅雨(ばいう)前線という前線が停滞するからです。

梅雨前線とは、北側からの冷たいオホーツク海気団と、南側からの暖かく湿った小笠原気団

がぶつかることによって起きる停滞前線(その場に長期とどまる前線)の一種です。



ではなぜ冷たい気団と暖かい気団がぶつかったところで雨が降るかというと、

それは空気の重さの差に関係しています。

というのも、空気には「暖かい(冷たい)ものほど軽い(重い)」という性質があります。

例えば、オホーツク海気団は冷たいので重く、小笠原気団は暖かいので比較的軽いです。



重さに差があるこのふたつがぶつかると何が起こるかというと、

暖かく軽い小笠原気団が上へ上へと昇っていく上昇気流が起きます。



空気塊(空気のかたまり)が高度を上げていくと、塊にのしかかる気圧も下がっていきます。

気圧とは簡単に言うとそのものの上にある空気の圧のことです。ですので、

高度が上がれば上にある空気もすくなくなり、気圧は下がりますよね。



気圧が下がると、空気塊は膨張します。

そしてその膨張に空気塊の内部エネルギー(熱)が使われることで

空気塊の温度が下がります。



ここで思い出してほしいのですが、小笠原気団は暖かく“湿った”気団でしたね。

つまり、水蒸気を多く含んでいるんです。

中学理科で習いますが、空気が含むことができる水蒸気の量を飽和水蒸気量といいます。

飽和水蒸気量を超える量の水蒸気(気体)はやがて水滴(液体)になります。


そして、飽和水蒸気量は空気の温度が高いほど多くなります。


上昇し膨張する空気の塊は温度が下がっていきますので、この飽和水蒸気量も下がり、

やがて水蒸気は水滴に代わります。

この水滴が雨となり、地上に振ります。



以上が梅雨に雨が多い原理です。


そして梅雨に限らず、雲ができ雨が降る原理はおおむね以上のようなものです。

温度差、気圧差、地形などの影響によって空気塊が上昇したり、

上空の空気が冷やされたり、温度が低いところに水蒸気を多く含んだ空気が流入したりして

水蒸気量が飽和水蒸気量を超えることで雲や雨になります。


雲や雨といったスケールの大きい現象も、小さな小さな水分子の状態変化の集合で起きてると考えると

面白いですね!


ちなみに覚えておいてほしいのですが、水蒸気は目に見えませんよ!

水滴になると目に見えるようになります。空に浮かぶ雲は目に見えるのは水滴や氷粒が見えてるんです。

「水蒸気が見えるかどうか」は理科のテストでよく問われますので

これを機にしっかり覚えてくださいね!