世界地図を眺めていると
日本やイタリアやドイツのような
複雑な国境線を持つ国と、
エジプトなどのアフリカ諸国や、アメリカとカナダのような
直線的な国境線を持つ国があることに気づきます。
前者の「複雑な国境線」は、
海、川、山などの地形を基準に決められた国境です(自然的国境と言います)。
例えば、日本は島国ですので海が国境線になってますよね。
イタリアは南部は海に囲まれ、北部のスイスとは“アルプス山脈”を基準に
国境が引かれています。
ドイツは、フランスとの国境が“ライン川”という川を基準に引かれています。
では後者の「直線的な国境線」は何を基準に決められているかというと、
それはある特定の人々の都合で決められています(人為的国境と言います)。
例えばエジプトなどのアフリカ諸国は
19世紀にイギリス、ドイツ、フランスといったヨーロッパ諸国が植民地にしたうえで、
緯度・経度などを基準に、地図に定規を引くように国境を決めてしまいました。
おかげで一つの民族が二つの国に分断されたり、
複数の民族が一つの国に押し込められてしまったので、
アフリカ諸国では現在でも民族紛争が絶えません。
またアメリカとカナダの国境は、
アメリカがイギリスから独立した際に定められた
“パリ条約”で、その基礎ができました。
さて。ここまで書いて分かる通り、
国境が決められた背景を見ることで、
その国の成り立ちや、歴史、地理、地形について知ることができます。
地理が苦手な方も、地理が好きで興味があるという方も、
国境に着目して社会科を考えてみてくださいね!