「基本を大事に!」「基礎を固めよう!」
生徒の皆さんは、こういった言葉をよく聞くかと思います。
何かを勉強する上で「基本」と「基礎」は必要不可欠なものです。
もし「基本」と「基礎」のどちらかが抜けていると、
発展的な内容やほんの少しヒネっただけの問題を、いつまでも解けないままです。
ところで、みなさんは勉強における「基本」と「基礎」の違いが分かりますか?
似たようなものを指すときに使われがちな2語ですので混同しがちですが、
実はこの2つは違うものを指していることがあります。
まず、「基本」というのは、言い換えると「初歩的」なものです。
例えば数学だと、
「公式を覚える」
「問題を沢山解いて、公式を正しく当てはめられるようになる」
といったことです。
勉強が苦手で赤点を取ってしまう生徒さんには、
特にこの「基本」が出来てない場合が残念ながら多いです。
毎日の勉強時間を増やし、覚えるべきことを覚えることで
「基本」は身につくかと思います。
次に、「基礎」というのは、いわばその教科の「根っこ」のようなものです。
学校の教科はなにかしらの“理論”によって「これが正解」と保証されています。
「基礎」というのは、その“理論”の「根っこ」です。
例えば、みなさんは
「授業や教科書で『これが正解』と言われるけど、
なんでこれが正解だと言えるんだろう。誰がそう決めたんだろう」
と思ったことはありませんか?
そう思った時に、「基礎」を考える必要があるのです。
そうして調べたり考えたりすることで、自力で「なるほど、確かに正しい!」と納得できるわけです。
最も分かりやすい例は、数学の「証明」を読むことです。
「証明」は、ある与えられた命題が、正しい(もしくは正しくない)ことを、
根っこの根っこまでさかのぼって確かめることです。
教科書を読んでみると、公式と一緒にその公式の証明が載っているはずです。
それを読んでみると、なぜその公式が正しいと言えるかが分かり、
「なるほど、これが基礎か!」と納得できるかも知れません。
「基本」とは違い、もし「基礎」を知らなかったとしても、
要領のいい生徒さんだとある程度点数は取れてしまうことがあります。
しかし、それ以上の点数を取ろうと思ったり、始めて見る難問にも対応したいと思うなら、
「基礎」は必須です。
また、今の段階で得点が振るわない生徒さんも、
「基礎」に目を向けてみることで、
「こういうことをしていたのか!」と発見し、
勉強のコツをつかんだりするものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「基本」と「基礎」、この2つはどちらかが抜けてもダメですが、
逆に言えば、両方をしっかりおさえれば、
かなり多くの問題に対応できるようになると思います。
「自分には基本/基礎が抜けているかも…」と思う方は、
今のうちに勉強スタイルを見直して、
「基本」と「基礎」を固めていきましょう!