正方形は、すべての辺の長さと角の大きさが等しい四角形のことですね。
また、長方形は、すべての角の大きさが等しい四角形です。
皆さんが「正方形」と聞いた時に思い浮かべるのは、
サイコロを上から見たときのような「□」←このような図形かと思います。
一方、「長方形」と聞いた時に思い浮かべるのは
縦の辺か横の辺の方が長い、「▯,▭」←このような図形かと思います。
このことから、「正方形」と「長方形」は
全く別個の図形だと思っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、ここで定義に立ち返って考えてみましょう。
長方形の定義は「すべての角の大きさが等しい四角形」です。
この定義に照らし合わせて考えると、正方形はどうでしょう。
正方形も、「すべての角の大きさが等しい四角形」ですよね。
つまり「長方形」であるための定義を満たしています。
つまり、「正方形」は「長方形」でもある。「長方形」には、「正方形も含まれる」、ということです。
もし数学の問題で
「縦の長さがx、横の長さがyの長方形が~」
とあった時に、反射的に縦か横のどちらかの方が長い長方形を思い浮かべてしまいがちですが、
もしかしたらこの図形は、両辺の長さが等しい(x=y)の正方形かもしれないのです。
とはいえ、この逆は言えません。
「辺の長さがzの正方形が~」
という文章があったとしたら、それが表すのは縦も横も長さは同じくzの正方形であり、
縦や横に長い長方形ではありません。
正方形の定義は「すべての辺の長さが等しく~」ですが、
正方形以外の長方形は、すべての辺の長さが等しくはないですからね。
数学をする上では、上記のような
「定義から、○○は××に含まれる」
「ただし逆は言えない」
といった論理的なセンスが非常に重要です。
図形のみならず、方程式にも、証明問題にも大きく関わってきます。
数学の問題や解答に書いてあるすべての文には必ず意味があります。
その1文1文をなんとなくで済まさず、じっくり考えつつ学習を進めるのが
論理的なセンスを磨く一番の訓練になると思いますよ。
ぜひ普段の勉強から意識して見てくださいね!