日本語が公用語の国。
「そんなの当然、日本じゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
(日本は法律上公用語を持ちません)
ではその国はどこか。
それは、【パラオ共和国】です。
「パラオ共和国」は、太平洋に位置し、フィリピン東方にあるミクロネシア地域の島々からなる共和国です。
人口はおよそ2万人、面積は488平方キロメートルとほぼ屋久島と同じくらいの小さな国です。
この「パラオ共和国」の「アンガウル州」では、世界で唯一、日本語を公用語と規定しています。
アンガウル州では、英語、パラオ語、日本語の3つを公用語として定めています。
しかし、現地の人々は英語もしくはパラオ語を会話に使い、日常会話で日本語をペラペラ話すことはないそうです。
パラオは、1994年に独立を果たした比較的新しい国であり、
第一次世界大戦後から第二次世界大戦終戦までの間、日本の委任統治領でした。
統治後、日本政府はパラオ現地人に対して文化統制を行い、その一環で日本語の教育を行ったため、
現在でも簡単な日本語であれば理解できる国民がいるそうです。
パラオには今でも日本の文化が残っており、パラオ語にはたくさんの日本語由来の単語があります。
例えば、「ダイジョウブ」や「アリガトウ」です。ほぼ日本語と同じような意味を持っています。
☆
ほぼ日本語のみが使われている日本に住んでいると感じにくいことですが、
パラオのようにいくつもの言語を公用語にしている国はたくさんあります。
例えば、スイスは4か国語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)を公用語としていますし、
インドは、なんと20以上の言語を公用語としているそうです。
公用語が選ばれる経緯は、民族、文化、宗教、政治(統治の歴史)など様々ですが、
こうして公用語を見るだけでもその国のことが少し分かります。
国について学ぶときには、公用語に着目して見るのもいいでしょう♪