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家庭教師のマナベスト 栃木県 スタッフブログ

【数学】当たり前!?な
数学の原理【雑学】

2024/08/08



数学で勉強することは、習うまで知らないようなことばかりですね。

例えば、ただ生活しているだけではサイン・コサインや三平方の定理などには気づかないでしょう。

授業や教科書で公式や定理があるのを初めて知って「へ~、そうなんだ」と思うものです。



ですが、実は

“だれでも直感的に知っているようなことだけど、数学的に重要で、名前がついている”

という原理があります。



それは【鳩ノ巣原理】というものです。

これは学校ではほとんど習わないものですが、とても面白いものですのでぜひ以下の概要を読んでみてください。









鳩ノ巣原理の内容を、数学的な言い方をすると以下のようになります。


「一般に、m 個のものを n 個のグループにわけるとき、

m が n より大きいなら、必ず2つ以上のものが属するグループが存在する。」


となります。


このままだとよく分からないかもしれませんので、具体例を出してみましょう。


(具体例)

「巣穴が5つ(=n)ある鳩の巣があるとします。

ここに、6羽(=m)の鳩が飛んできたとします。

そうすると【鳩ノ巣原理】より、巣穴5つに対して鳩が6羽なので、かならず2羽入る巣が存在することが分かります」




これが鳩ノ巣原理の具体例です。

どうでしょうか。「そんなのあたりまえじゃん!」と思いましたよね(笑)

しかしこの当たり前のことに名前がついていて、

そして、この原理で解ける問題がいくつもあるんです。









鳩ノ巣原理を使うことのできる問題を一つ見てみましょう。


(問)10個の球それぞれに1~10まで数字をふってカゴに入れ、中身を見ないで6つ取り出します。

取り出した球のなかには、偶数の球が必ず含まれることを証明せよ。


状況:カゴ{①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩}←6個取り出す。偶数の球が必ず出る?


(少し考えてみて下さい。当たり前のことに思えるかもしれませんが、証明となると難しいかもしれません)







(ヒント)


逆に、偶数の球を取らないように、奇数の球を小さい順から取っていったとします。

1回目に①、2回目に③、3回目に⑤ 4回目に⑦ 5回目に⑨ ……








(解答)


1から10までの数字のうち、奇数は5つしかありませんね{①③⑤⑦⑨}。

もし6回球を取ったにもかかわらず、奇数しか出なかったなら、

鳩ノ巣原理より{①③⑤⑦⑨}のいずれかの球が2つあったことになります。

これは問題の設定と矛盾します。

よって、6つの球をとりだしたら必ず偶数の球が1回は出ることがわかります。









いかがでしょうか。鳩と巣の例で言うと、今回は球を取り出す手が「鳩」、球が「巣」の役割でした。

目の前の問題において、なにが「鳩」でなにが「巣」かを見極めることがポイントです。







さて、皆さんの中には数学を

「まったく初めて知ることばっかり!」と思っている方もいるかもしれません。

たしかに、教科書で見る公式などは、一見すると堅苦しくて馴染みのないものです。


ですが、今回下鳩ノ巣原理のように、身近な事柄をあらわしているものも多くあります。

実は、サイン・コサインも三平方の定理も、二次方程式や関数も

それらしきものは生活のあちらこちらで出会います。


そういった概念や原理について、定義を与えて明確にするのが数学と思えば、

少し数学の世界に興味がわいてきませんか?




今回の記事で、少しでも数学の楽しさを感じていただけてたらうれしいです。