現在の中学1年生が受験する2027年度(令和9年度)から埼玉県公立高等学校の入学者選抜方法に大きな変更が導入されます。
この変更は、より公平で多様な選抜を目指し、受験生の多様な能力や特性を評価することを目的としています。
この新しい入試制度は、2023年10月から11月にかけて県民から意見を募集し、その結果を基に改善案が策定されました。
◯調査書の記載内容の変更
従来の調査書には、各教科の学習の記録(内申点)に加えて、特別活動の記録や総合的な学習の時間の記録、出欠の記録などが含まれていました。
しかし、2027年度からは、調査書の記載内容が各教科の学習の記録(9教科5段階の評定)のみに限定されます。
これにより、特別活動や出欠の記録が選抜に影響を与えることがなくなります。
◯自己評価資料の提出
新しい制度では、全ての受験生が自己評価資料を提出することが求められます。
この自己評価資料には、これまでの自分の体験や自己PR、高校入学後に取り組みたいことなどが記載されます。
この資料は面接時の補助的な資料として使用され、得点化はされませんが、自分の考えを整理するための重要なツールとなります。
◯面接の全員実施
2027年度からは、全ての受験生に対して面接が実施されます。
これまでは一部の高校や学科でのみ面接が行われていましたが、新制度では全校で共通選抜の一環として面接が行われます。
面接では、自己評価資料を基に受験生の意欲や適性が評価されます。
◯特色選抜の導入
新しい入試制度では、共通選抜に加えて一部の高校で特色選抜が導入されます。
特色選抜では、実技検査や小論文、傾斜配点などが実施される予定です。
これにより、学力検査や調査書だけでは評価しきれない受験生の特性や能力が評価されることになります。
◯選抜方法の多様化
共通選抜では、学力検査、調査書、面接が選抜資料として使用されます。
一方、特色選抜では、これらに加えて実技検査や小論文などが選抜資料として使用されます。
各高校は、学科やコースごとに選抜基準を設定し、選抜段階ごとに資料の得点比重を変えることができます。
◯内申点の重要性
新しい制度では、特別活動や検定などの加点がなくなるため、内申点の重要性が増します。
受験生は、各教科の学習の記録(9教科5段階の評定)で1点でも多くの内申点を確保することが求められます。
同時に、学力検査の得点力を高めることも重要です。
受験前の詰め込み学習ではなく、日々の学習の積み重ねがさらに大事になってきますね。