塩分をたくさん取ると、なぜ喉が渇くのでしょう。
塩分、つまりナトリウムは、体内で多くの重要な役割を果たしていますが、その一つが体内の水分バランスを調整することです。
塩分はお菓子やラーメンなどに多く含まれていて、塩分を多く取ると、その塩分は血液に溶け込んで体を巡り、体内のナトリウム濃度が上がります。
ここで、大事なのは「浸透圧(しんとうあつ)」という言葉。
体内のナトリウム濃度が高くなると、浸透圧を正常な状態に戻すために、体は水分を欲するようになります。
薄めようとして、水が血液に集まるわけです。
そうすると血液の体積が増え、血管を押し広げるため、血圧が高くなります。
ラーメンばかり食べてると、高血圧になるイメージはありませんか?
そしてこの状態になると、脳の中にある視床下部という部分が働き始めます。
視床下部には、血液中のナトリウム濃度を感知する「浸透圧受容体」があります。
浸透圧が高くなると、これらの受容体が信号を送り、脳に「水が足りない」ということを知らせ、この信号が喉の渇きとして感じられるのです。
脳が「もっと水を飲まなきゃ!」とサインを送っているというわけです。
さらに、視床下部は「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」を分泌するように指示します。
このホルモンは腎臓に働きかけて、水分を再吸収させます。
これにより体内の水分を保とうとしますが、同時に喉の渇きを感じさせて、実際に水を飲むように促します。
塩分を取り過ぎたときに、体が自らを守ろうとする仕組みですね。
後で水を飲んだとしても塩分過多は身体に負担がかかってしまうので、ほどほどにしておきましょう。