運動ができる人、得意な人を「運動神経が良い」という言い方をすることがありますね。
運動神経とは、科学的には「中枢神経と運動器官を結ぶ神経」のことを言います。
この神経そのものが良い、という意味で運動神経が良いという人はいないと思いますので、比喩的に運動能力のことを運動神経と言っているわけです。
この運動神経は鍛えることはできるのでしょうか。
例えば、テニスで飛んでくるボールをラケットで打つ場合、
1.目がボールをとらえる
2.視神経を経て脳に信号が伝わる
3.ボールの動きの情報などを処理し、ラケットの動かし方を判断して「打て」と命令を出す
4.骨格と筋肉が連携して、ラケットで打つ
このような信号が通る道筋は誰でも同じです。
しかし、最初から簡単に誰もができるわけではありません。
この信号が伝わる速さや正確さは、練習を繰り返して上達します。
繰り返し素振りの練習をしたり、フォームの確認をしたり、日々の練習のたまもので、身体を最適に動かす指令が身に付いたり、脳からの信号も最短ルートで通るようになったりするものです。
科学的な「運動神経」そのものを鍛えるということはできませんが、よく言われる「運動神経の良さ」は日々の練習で鍛えることが可能です。
信号の送られる速さや正確性は人それぞれで、生まれ持ったものや遺伝の影響を受けますが、日々の努力次第で、それを向上させることも、自分の能力を最大限発揮することも可能ということです。
感覚神経である目で見て、信号を脳に送り、脊髄を通り、運動神経を経て腕に信号が送られるのは、みんなに共通することであり、それをより速く、正確なものにしようとするには、繰り返しの練習が必要ということです。