文科省の2023年度の調査で、「就職・起業」の理由で大学を休学した学生は、4年前の1.4倍になったそうです。
休学して起業する大学生が増加した理由としてまず、インターネットとデジタル技術の発展により、起業のハードルが大幅に下がったことが挙げられます。
ウェブサイトの作成やマーケティング、オンラインショップの運営が比較的容易になり、少ない資金でもビジネスを開始できる環境が整っています。
このため、学生でも比較的リスクが低い状態で起業に挑戦できるようになりました。
次に、成功した若い起業家の存在が学生たちに強い影響を与えています。
たとえば、20代で大成功を収めた起業家の話を聞くことで「自分にもできるかもしれない」という希望や自信を抱く学生が増えています。
このような成功例がメディアやSNSを通じて広まることで、起業に対する関心が一層高まっています。
さらに、大学そのものが起業を支援するプログラムを提供するようになってきたことも大きな要因です。
起業や事業の立ち上げを支援する施設や起業セミナー、ビジネスコンテストなど、学生が実際に起業を経験し、必要な知識やスキルを習得できる機会が増えています。
これにより、学生は起業の現実を学びながら実践的な準備を進めることができます。
また、厳しい就職市場や将来の経済不安から、自分自身でキャリアを切り開こうとする学生が増えている、経済的な背景も影響しています。
安定した雇用が保証されない時代において、起業によって自分の未来を切り開くことが魅力的に映るのです。
これらの要因が重なり、大学生の間で起業を目指して休学する動きが広がっています。
大学が合わずに退学をしてしまう人もいますが、経済的な事情でなければ、何か自分でやってみる「前向きな休学」を選ぶのもいいのかもしれません。