何かピンチなことが起きると、目の前のことについつい目がいって、思考も狭くなってしまうことがあります。
そんな時こそ、この「急がば回れ」という言葉を思い出します。
「急がば回れ」という言葉は、もともとは「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」と室町時代の連歌師宗長が詠んだのが始まりだそうです。
かつては琵琶湖に渡し舟があり、その船を使うと速いが、その渡し舟は遭難することがあったので、急ぐ人は逆に橋を渡ったということに由来しているそうです。
つまり、危険な近道よりも、安全な道をまわったほうが結局は早く目的地につくという意味です。
成果を急ぐのであれば、一見時間がかかりそうな方法でも、着実な方法を取ったほうが結果がよいということですね。
そのようなことは勉強の場面でも良くあります。
そもそも勉強にはないのですが、手っ取り早い方法で学習を進められれば、それは良いことのように感じます。
例えば、社会の歴史を勉強するときに、今習っている範囲の語句だけを覚えればテストで良い点数を取れそうに思います。
ですが、実際それで歴史全体の知識が深まるかというとやはり難しいですし、時代背景や出来事の理由を聞かれるような問題には太刀打ちできません。
そのことを学習しようと思ったら、結局単元単元の学習を行うより、歴史全体の学習をし、さらに出来事の理由や背景を整理しながら学習しないと入試などのテストには結果が出せません。
とても地道で時間がかかりそうに感じますが、やはり全体的な学習をコツコツやるしか方法はありません。
もちろん効率化をはかるのは大事なことなので、早く正確に確実に力をつける工夫は重要ですが、日々の努力なしに学習は成果がでません。
入試やテストを目標としたときに、焦る気持ちが出てしまう時もあると思いますが、そのような時こそ、「急がば回れ」の精神で、確実に一歩一歩進めていきましょう。