「植物も寝る」と聞くと不思議な感じがするかもしれませんが、多くの植物が昼と夜で異なる動きを見せることが知られています。
これは「就眠運動(しゅうみんうんどう)」や「日周運動(にっしゅううんどう)」と呼ばれる現象で、植物が“寝る”ような動きを見せることからこう表現されるのです。
オジギソウは昼間は葉を広げていますが、夜になると葉を閉じて垂れ下がります。
チューリップやサクラソウのような花も、夜になると花びらを閉じて、朝になると再び開くという動きを繰り返します。
これは人間の睡眠とは違って意識があるわけではありませんが、環境の変化に応じて体の一部を動かしているという点でとても興味深い行動です。
この運動のしくみには植物の体内時計(概日時計)が関わっていて、動物と同じように植物も光や温度の変化を感じ取り、内部で時間の流れを把握しています。
そして昼は光合成に集中し、夜は葉を閉じて水分の蒸発を防いだり、害虫から身を守ったりするような働きをしていると考えられています。
これらの動きには特に「オーキシン」と呼ばれる植物ホルモンが細胞の成長に関わっていて、光の当たり具合に応じて細胞の成長速度を変えることで、葉や茎が傾いたり曲がったりするのです。
就眠運動の場合も、こうしたホルモンの働きや細胞内の水分の移動によって動きが生まれているのですね。
つまり、「植物が寝る」というのは比喩的な表現ではあるものの、植物が時間に応じて自律的に行動を変えているという意味ではとても的を射た言い方といえます。
理科の授業で扱う植物の成長や光合成の話にこうした視点を加えると、植物も私たちと同じように“生きている”ことを実感できますよね。
興味があれば、家の植物や公園の草花の様子を朝と夜で観察してみてください。
クローバー(シロツメクサ)、ネムノキ(合歓木)、インゲンマメやエンドウなどのマメ科植物、アサガオ(朝顔)などが就眠運動をする植物です。
夏休みの自由研究に取り入れてみても良いかもしれませんね。