生き物の性別を決める「性染色体」にはXとYがあり、オスは「XY」、メスは「XX」の組み合わせを持ちます。
メスにある2つのXが同時に働くと細胞が混乱してしまうため、
体の中では細胞ごとにどちらか一方のXにカギをかけて休ませています。
この仕組みを「X染色体不活性化」と呼びます。
なぜ三毛猫にオスはいない?
三毛猫の「茶色」と「黒色」の毛の色を決める遺伝子は、このXの上にあります。
メス(XX)は「茶色のX」と「黒色のX」を両方持てるため、細胞によってどちらのXが働くかが変わり、
茶・黒・白がまざった三毛猫になります。
一方、普通のオス(XY)はXが1つしかないため、茶か黒のどちらか1色にしかなれません。
「どちらかを休ませる」という仕組み自体が起きないのです。
もしオスの三毛猫がいたら?
ごくまれに(約3000匹に1匹)、遺伝子の数が生まれつき多くなって「XXY」という組み合わせを持つオスが生まれます。
Xが2つあるため、メスと同じようにX染色体不活性化が起こり、オスなのに三毛猫になります。
とても珍しいため、昔から「幸運を呼ぶ猫」と言われてきました。
実は「茶トラのメス」も珍しい!
三毛猫のオスとは反対に、全身が茶色のシマ模様である「茶トラ」は、約8割がオスでメスは滅多にいません。
メスの茶トラが生まれるには、2つのXが両方とも茶色の遺伝子で揃う必要があるため、確率的に珍しくなるのです。
身近な猫の模様は、すべて細胞の中にある「遺伝子の設計図」の計算で作られています。
「どうしてこの模様になったのかな?」と観察してみると、生き物の不思議な遺伝の仕組みが見えてくるはずです。