冬の空から降ってくる雪の結晶をじっくり見たことはありますか?
顕微鏡でのぞくと、そこには宝石や美しいお城の飾りのようなデザインが広がっています。
誰かが作ったの?と言いたくなる完璧な形ですが
実はここには、理科の授業で習う「分子」や「状態変化」の不思議なルールが隠されているのです。
① 基本の形は「6角形」
雪の結晶の写真を見ると、どれも真ん中から「6本」の枝が綺麗に伸びています。
なぜ4本でも8本でもなく、絶対に6本なのでしょうか?
その答えは、水をめちゃくちゃ小さくした「水分子(H2O)」の世界にあります。
水が液体から氷(固体)に変わるとき、分子たちはお互いに手をつなぎ、規則正しく整列します。
このとき水分子の形の特徴から「一番おさまりがよくて、安定する形」がきれいな正六角形の枠組みになるのです。
ミクロの出発点が6角形なので、目に見える大きさまで大きく育っても必ず6本の枝を持つ形になります。
② 形を決めるのは「温度」と「湿度」
基本は6角形ですが、平らな板のようなもの、鉛筆のような筒状のもの、おしゃれな枝が生えたものなど、形はバリエーション豊かです。
この謎を解き明かしたのが、日本の物理学者・中谷宇吉郎博士です。
博士は、結晶の形を決めるのは上空の「温度」と「水蒸気の量(湿度)」の組み合わせだと世界で初めて突き止めました。
中谷博士は「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残しています。
地上に落ちた結晶の形を観察すれば、上空の雲の中がどんな気象条件だったのかがタイムカプセルを開けるように分かる、という意味です。
雪の結晶が空の上からのメッセージだなんて、すごくロマンチックですよね。
③まとめ(暑い夏こそ、雪に思いを馳せて…)
たった1粒の雪の結晶にも分子のつながりや気象の科学が詰まっています。
いまは汗が吹き出すような暑い夏ですが
そんな時こそ、はるか上空のマイナス15℃のひんやりした雲の中で水分子たちがきれいに手をつなぎ
静かに美しい結晶へと育っていく姿を想像してみてください。
少しだけ涼しい風が吹き抜けたような、不思議でワクワクする気持ちになりませんか?
次に雪が降る季節が来たら、ぜひスマホのカメラで拡大して覗いてみてください。
理科の知識を使って世界を見ると、いつもの景色がもっと面白く見えてくるはずです!