「ミーンミーン、ジリジリジリ……」
蝉の声が聞こえてくると、今年も日本の夏が始まったな、とその訪れを強烈に実感しますよね。
私たちにとっては当たり前すぎる夏の風物詩ですが、
実はセミの鳴き声に馴染みがない地域から来た外国人にとって、あの鳴き声は「脳が大混乱するほどの衝撃体験」だということをご存知でしょうか。
かつて日本を訪れたある外国人は、街中に響き渡るセミの大合唱を聞いて「街中で大音量のサイレンが鳴り響いているのかと思った」と驚愕したそうです。
もちろん世界には同じようにセミが賑やかに鳴く国もありますが、北ヨーロッパなど、セミがほとんど発生しない涼しい地域の人々にとっては、あの音量は未知との遭遇。
さらに、種類によって「ミーンミーン」「カナカナカナ」と情緒豊かなメロディを奏で分ける日本のセミの多様性は、彼らの目にとても不思議に映るようです。
また、私たちの「脳の仕組み」も関係していると言われています。
ある研究によると、セミの声に慣れていない欧米の人々は、虫の音を「機械の雑音」と同じように右脳で処理する傾向があるそうです。
一方で、私たち日本人は「虫の声(言葉)」として左脳で処理しています。
つまり、彼らにとっては「大音量の工事の騒音がずっと鳴り響いている」ように感じてしまうこともあるわけです。
しかし最近では、この「カルチャーショック」をポジティブに楽しむ外国人も増えています。
きっかけは日本のアニメです。『エヴァンゲリオン』や『サマーウォーズ』など、数々の名作で夏の演出として描かれてきたあの音。
海外のアニメファンにとって、生で聴くセミの声は「憧れのアニメの世界に本当にやってきた!」という、最高の感動スイッチになっているのです。
私たちが何気なく暑さを実感しているセミの声。
それは世界の一部の国々や、旅にやってきた人々にとっては、最高にエキゾチックでエモーショナルな「日本の夏のBGM」なのかもしれません。