「時間は誰にでも平等に流れている」と私たちは思い込んでいますが、
実は生き物によって感じている時間のスピードはまったく違うのかもしれません。
動物のサイズと心拍数、そして寿命には不思議な反比例の法則があります。
ネズミのような小さな動物は、心臓が1分間に約600回という猛スピードでドクドクと動く代わりに、数年という短い寿命を迎えます。
一方でゾウのような大きな動物は、心臓が1分間に約30回とのんびり動き、60年以上という長い寿命を生きます。
これらを掛け合わせると、どの哺乳類も一生の間に打つ心拍数は「約20億回」という同じ数字にたどり着くと言われています。
では、心臓が速く動くネズミは、それだけ生き急いで損をしているのでしょうか。
実は、ここからが視覚と時間の面白い関係です。
心拍数が速い生き物ほど、脳のシャッター速度もハイスピードになり、1秒間をより細かく分割して世界を見ています。
私たちがハエを叩こうとしたときに素早く避けられてしまうのは、
ハエの目には人間の手の動きがものすごいスローモーションに見えているからです。
ネズミも同様に、人間にとっての一瞬を、ハイスピードカメラのように引き延ばされた、ゆっくりとした時間の中で生きています。
この「心拍数が速いと時間がゆっくり進む」という現象は、実は私たち人間も日常の中で経験しています。
誰もが「子供の頃の1年はあんなに長かったのに、大人になるとあっという間」と感じたことがあるはずです。
これも単なる気のせいではなく、子供は大人よりも代謝が良く普段の心拍数が高いからだと言われています。
子供たちは大人よりもドクドクと速いリズムを刻みながら、1日をとても濃密に、長く感じて過ごしているのです。
つまり、心拍数とはそれぞれの命が持つ独自の時計です。
たとえ全体の寿命が違っても、本人の体感としては誰もが同じくらい長くて濃密な一生を過ごしている可能性があります。
これは、いま受験という大きな挑戦に向き合っている皆さんにも同じことが言えます。
試験前の緊張や焦りで、心臓がドキドキと速くなることがあるかもしれません。
でもそれは、あなたの脳が「1秒も無駄にせず、今この瞬間の情報をすべて吸収しよう!」とフル稼働して、
体感時間を引き延ばしてくれている証拠です。
緊張は敵ではなく、本番の時間を引き延ばして味方につけるための体の仕組みです。
そのドキドキを追い風にして、ぜひ最高に濃密な時間を駆け抜けていってください!