「最近の子どもは疲れている」印象はありませんか?
十分に眠ったはずなのに気分が晴れなかったり、何もしていないのにやる気が出なかったりする子どもが増えている背景には、体ではなく「心」が疲れやすい環境があるのです。
昔の子どもにも、勉強や友達との人間関係、将来への不安はありました。
しかし、学校が終われば友達と遊んだり、家でゆっくり過ごしたりして、学校から気持ちを切り替える時間が比較的ありました。
一方で今は、スマートフォンやSNSの普及によって、学校が終わっても人間関係や周囲の評価から完全に離れることが難しくなっています。
友達の投稿を見て自分と比べたり、返信のタイミングを気にしたりと、心は休む暇なく動き続けているのです。
さらに、現代の子どもは以前よりも同時に抱えるストレスの種類が増えています。
学校の勉強やテストだけでなく、部活動、習い事、受験への不安、SNSでの人間関係、将来への心配など、さまざまなストレスが一度に重なりやすくなりました。
一つ一つは乗り越えられる悩みでも、それらが同時に積み重なることで、心には大きな負担がかかります。
実際に、子どもや若者のメンタルヘルスに関する国際的な調査でも、不安やストレスを抱える子どもが増えており、その背景には学習だけでなく、SNSや睡眠不足、家庭環境など複数の要因が重なっていることが指摘されています。
また、現代の子どもは「比べられる機会」も以前より増えています。
学校ではテストの点数、部活動では成績や記録、そしてインターネットでは勉強法や日常生活まで簡単に目に入ります。
誰かの成功を知る機会が増えた一方で、自分には足りないものばかりが目につき、「もっと頑張らなければならない」と感じる場面も多くなりました。
その結果、体は元気でも、心だけが少しずつ疲れてしまうのです。
本質的に考えると、心は「頑張ったから疲れる」のではなく、「休めないから疲れる」のではないでしょうか。
体には休息が必要なように、心にも安心して力を抜ける時間が必要です。
ところが、現代の子どもは常に誰かとつながり、常に何かを求められているような環境の中で生活しています。
そのため、体を休める時間はあっても、心まで休める時間は少なくなっているのです。
大切なのは、何もしない時間や、人と比べずに過ごせる時間を意識してつくることです。
心は、走り続けるだけでは元気を保てません。
ときには立ち止まり、自分のペースで過ごす時間があるからこそ、また前を向いて歩き出すことができます。
最近の子どもに必要なのは、体を休める時間だけではなく、さまざまなストレスから少し離れ、心が安心して休める時間なのだと思います。