みなさんは「敵に塩を送る」ということわざを、聞いたことがありますか?
敵と味方に分かれて戦っていても、敵が困っている時には戦いに関係なく、
敵を助けるのが人の道だ。
という意味です。
この語源は、戦国時代、現在の山梨県と長野県を支配していた、
戦国最強の騎馬軍団で有名な武将 武田信玄が
駿河、遠江、三河(現在の静岡県と愛知県の一部)の戦国大名の今川義元や、
相模(現在の神奈川県)を支配していた北条氏康から、
太平洋の海でとれた塩を止められて困っていたところ、
敵である越後(現在の新潟県)を支配していた上杉謙信が
戦いは戦いとして、敵であっても、武田信玄に塩を送って助けた
との言い伝えからきています。
しかし、これを証明する文書(もんじょ)は、未だ、一切ありません。
近年、歴史学者の間では、太平洋の塩を止められた武田信玄に
チャンスとばかりに上杉謙信が塩を売って儲けを得たのが史実である、
とされています。
「敵に塩を送る」という本当の語源の研究が、さらに進むとよいですね。