学校の授業についていけないだけでなく、やる気が出ない、
日常生活において「生きづらさ」感じているお子さんの中には
「境界知能」に該当している場合があるかもしれません。
「発達障害」や「知的障害」という言葉はなじみがありますが
「境界知能」とは何でしょうか。
簡単にいうと、IQにおいて【正常】でもなく【知的障害】でもない間のゾーンのことです。
IQ85~115が平均的【正常】といわれる値に対し、
IQ50~69は【知的障害】に区分されます。(これ以下は「重度の知的障害」)
つまり、【境界知能】のIQは、この間のIQ70~84となるわけです。
知的障害でもなく、正常でもない。
では、境界知能と発達障害はどういった違いがあるのでしょうか。
発達障害は「脳機能の発達の偏り」によるものです。
得意・不得意が極端なのが特徴です。
発達障害でも、IQに関しては高い・低いはそれぞれで、関係はありません。
この「境界知能」に該当する人は人口の約14%。7人に1人の割合でいることになります。
35人のクラスに5人はいることになりますね。
この数字をみると、本当に「まれ」とは言えない割合です。
幼少期には気づかれにくく、小学校に入ってから
計算問題や漢字は何回やってもできない、覚えられない、
板書が写せない、文章を読み飛ばすなど、
困りごとが顕著にあらわれてきます。
知的障害にはあたらないため、療育手帳ももらえず、
支援級に入ることができなかったり公的な厚い支援の対象となりづらかったり
生きづらさを感じたままになっていることが多いようです。
学校では勉強を避けながら何となくやり過ごすことができても、
実際に社会に出た時に「頑張っても出来ない」ことで辛い思いをすることも。
認知機能のトレーニングについては、点をなぞったり、パズル形式など
親子で楽しみながらできるものもネットや書店で簡単に手に入るようになりました。
また、漫画やイラストなどで発達障害や境界知能などについて扱うものも出ています。
大人だけでなく、子ども達にも広く理解が深まればと思います。