例えば「タクシーを拾う」という文章は
誰もが日本語として自然に感じるかと思います。
また、「タクシーを捕まえる」という文章でも、
まだ全然自然でしょう。
しかし、
「タクシーをつまみ上げる」
とう文章になるとかなり不自然になります。
「タクシーを捕らえる」
もヘンですね。
普段から日本語を使う私たちにとってはこれらのことは“あたりまえ”ですが、
外国人が日本語を習得しようと思ったときには、
こういったことを一つ一つ覚えないといけないかもしれません。
このことは逆に、日本人が英語を勉強するときにも同じことが言えます。
日本語にそれ独自の表現があるように、英語にも独自の表現あります。
例えば、日本語では「タクシーを拾う」と言いますが、
英語の pick up(拾う) を使って「pick up a taxi」とはあまり言いません。
「get a taxi」
と言うのがより自然なようです。
日本の英語教育の中では英単語帳などを読み、「拾う=pick up」と単純に覚えてしまいがちですが、
実際には、「pick up」と「拾う」には、それぞれ使い方やニュアンスは少しずつ違っているものです。
そしてこれは、どのような単語についても同様です。
「日本語と英語で、意味も使い方もまったく同じ」という単語は一つもないと考えた方が良いくらいだと思います。
ここに英作文のむずかしさがあります。
書きたい文章がある時、知ってる単語を組み合わせて
「こういう表現を英語話者がするかわからないけど……」
というくらいの自信で書こうとすると、たいてい間違えます。
「言いたいことはなんとなくわかるけど英語話者はそういう風には言わない」
と、×をつけられてしまうんです。
こういうミスは、英語がある程度得意な生徒ほど犯しがちなものです。
知っている単語も増えてきて、「自分は何でも表現できる!」と思い込み、
英語的に不自然な表現をしてしまうんです。
ですので、自然な英作文を書くにはイチから文を生み出そうとするのではなく
参考書などで読んだことがあって記憶に残っている表現をそのまんま借用して
英文を作るのが無難です。
自由英作文にしても和文英訳にしても、
いつも「なぜか減点されるな~」と不思議に思ってる方は
窮屈かもしれませんが、自分が知っている表現のみを使ったほうが
減点されにくいと思います。
また、普段の宿題や演習で英文を読むときには、
そういった視点からも見てみると、
英作文に使える表現のストックがどんどん増えていくと思いますよ!