学校が、宿題で出したドリルやワークの「解答を配らない」「解説が詳しくない」ことがよくあります。
これは、生徒が答えを丸写しすることを避けるための対策だと思われますが、
学習効果の面で言うと、最善ではないように思えます。
ドリルやワークは、頭の中にある知識を試したり定着させたりするための“アウトプット系”の教材です。
問題を解くことで、自分の知識の穴を見つけたり、反復練習によって力をつけたりしていきます。
しかし、解答が配られない場合、問題を解いた後、それが合っていたかどうかが分かりません。
これでは自分の解答に自信が持てず知識の定着につながりませんし、
細かいミスや勘違いを見落としてしまいます。
もっと悪いのは、答えが分からなかった場合で、
「どうすれば答えにたどり着くのかわからない」、「自分が何が分かっていないのかも分からない」
と、一人ではどうしようもない状況になってしまいます。
このことは、多くの勉強嫌いの子供を生んでいるのではないでしょうか。
学校の先生は、分からない問題は質問してというかもしれませんが、
毎日の宿題、分からない問題がたくさんある生徒にとってそれは大変なことで、
多くの生徒にそのような積極性を求めるのは難しいことです。
また、学習効率の面でも、手元にすぐ見られる解答がある方がスムーズに勉強が進むかと思います。
たしかに、解答があると丸写ししてしまう生徒のことを考えると
解答を配らない方がまだいいかもしれませんが、
今は勉強が苦手だけど真面目に取り組もうと思っている生徒、
勉強が得意でどんどん学力を伸ばしていきたいと思っている生徒にとっては、
非常に大きな非効率につながってしまっています。
やる気の有無に関わらず、全ての生徒に最低ラインの学力をつけてほしいという学校側の気持ちもわかりますが、
そのために解答を配らないのでは、全体のレベルを下げる結果になってしまわないかなぁ、と思ってしまいます…。