今年の生物は平均点48.46/100点と低く、全身のセンター試験も含めて過去最低でした。
また、他の理科教科と平均点で最大15点近い差がつき、「理科(2)」の中で得点調整が行われていました。
この度発表された外部評価分科会の報告書では、難易度について
「背景や設定の情報量が多く、それらを理解するための時間や労力がかかり過ぎ、思考する時間が十分に確保できなかった」
と指摘し、4段階評価で「1」(適切ではない)をつけました。
また、問題構成や題材などを含めた総合評価については、
「情報量が多すぎるうえ、難易度が高い問題が多かったために、受験者の学力を適正に評価できたとは言えない」
とし、「2」(あまり適切ではない)をつけました。
共通テストに関しては昨年度の試験でも数学I・数学ⅠAの難易度について「あまり適切ではない」と評価されています。
注目すべきことに、昨年度の数学・今年度の生物いずれも
「情報量の多さ」や「時間配分」などを主な理由として難化が認められました。
共通テストは前身のセンター試験から比べ分量が多く処理能力が求められる試験と言われていますが、
難化した際にはその傾向がさらに強くなる傾向が見て取れます。
昨今の大学入試改革の中心にある共通テストですが、難易度調整の面ではいまだ調整段階と言えそうです。
なにはともあれ、掲げている目的通り「思考力・表現力・判断力」が正しく評価される試験であること、
そして、運に左右されることなく生徒の努力や能力が正しく評価されるような試験になることを祈るばかりです。