読解の問題は、配点が大きいだけに1問でも多く正解にしたいもの。
しかし、文章を細かく読み取りそこから解答の根拠を見つけ出すのは簡単ではありません。
なかなか答えに確信が持てない教科ですが、まずは出来ることを一つずつ増やしていきましょう。
文章問題で必ず出題されるのが、「それ」や「これ」などの“指示語”が指すことばです。
文中の指示語がなにを指しているかわからないなら、その文章を読めたとは言えません。
指示語が指すことばは、99%、指示語より前にあります。
まずは指示語の前に、それらしい主部(主語や主語になりそうな文章)がないか探しましょう。
主部が見つかったら、その主部が、指示語に続く熟語に対応するかどうか確かめましょう。
例)『父が注目した健二の行動がある。
健二の目の前で、立ち並ぶコナラの木々にカブトムシやクワガタが集まっていたのだが、
それには目もくれず、地味なハリガネムシだけをつかまえてきたのである。』
問1)「それ」が指すことばを答えなさい。
指示語(それ)の後には「目もくれず」と書いてありますから、「何に目をくれないのかな」と、考えます。
おそらくそれは、ハリガネムシと対比される、動作の主からしてあまり重要でないものなんでしょう。
指示語の前の文を読むと、それらしい言葉(カブトムシやモンシロチョウ)が見つかるはずです。
次にするのは、熟語(目もくれず)に対応するかを確かめることです。
もとの指示語の代わりに見つけてきたことばを放りこんで、読んでみます。
「(カブトムシやモンシロチョウ)には目もくれず、地味なハリガネムシだけを~」
すんなりと読めて文章になり、意味が通れば正解です。
誤答例としては、「それら」を「父」と思ってしまったり、「コナラの木々」としてしまうことです。
「□□には目もくれず、~」という文章にこれらを当てはめてみると
文章として不自然だったり、意味が通らなかったりしますね。
(「カブトムシやモンシロチョウ」と対比して、
わざわざハリガネムシを“地味な”と強調しているのも読解のポイントです。)
なお、
問)文中から書きぬきなさい。とあれば、そのまま書きぬきます。
問)文中のことばを使って~とあれば、見つけたことばを部分的に使いつつ、文章の中にすんなり落ち着くように修正します。
「問題文をよく読む」これが国語の文章問題でミスをしない上での鉄則です!