最近、「考える力」という言葉をよく耳にします。
学生のうちに勉強や課外活動や受験の中で「考える力」を鍛え、
社会に出たときに発揮することが求められているようです。
とはいえ、ただ「考える力」とだけ言われても、
漠然としすぎていてイメージしづらいのではないでしょうか。
おそらく、この言葉が台頭してきた背景には、
受験が単純記憶やパターン暗記で攻略されてると言われ始めたことがあるのではないかと思います。
つまり、本来試験で知識や思考力などを総合的に測りたいところを
過去問対策などのパターン暗記で乗り越えられてしまっていた状況があり、
それでは「考える力」は測れないのではないか?ということです。
たしかに、受験の現状から言って過去問対策は欠かせません。
出そうな問題を分析して、本番で解けるように対策する。
これは絶対に有効な対策で、受験生は誰でもやっていることでしょう。
しかし、では受験の上で「考える力」がまったく要らないのかと言えば、そんなことはありません!
暗記にだけ頼っていては結局すぐに限界が来るものです。
受験生で一生懸命勉強しているのに何か月も点数が伸びない子は、
実は、考えることを疎かにして暗記だけに頼りがちです。
一方で、これまで勉強以外のことに打ち込んでおり、
勉強を始めたのが夏からなのにグングンと成績を伸ばすような受験生は、
自然とついた「考える力」があるように思います。
分かりやすいように「考える力」を言い換えると、
それは「着実に答えに向かっていける力」と言えます。
途中であきらめて当てずっぽうになるのでもなく、間違った結論に逸れることもなく、
少しずつでも、正しい方向に向けて思考を進められる力です。
勉強中に理解できない文章に出会ったときにも、よく読んで、考えて、調べて、
頭がこんがらがりそうになっても修正して、なんとしても正しい理解にたどり着く、
このような経験は、単純な暗記とは全く別のものですよね。
「考える力」を自動車でたとえるなら、軽量でスピードの出るスポーツカーではなく、
ごつごつしたタイヤで山道でも砂漠でもどんな場所でも目的地に向かって走れる
オフロード車のようなイメージです。
道が整備されてなくても障害物があっても、強力なエンジンで着実に乗り越えていきます。
皆さんは勉強中に「難しい!」と思ったときにどうしていますか?
あてずっぽうにしたり、すぐ答えをみて分かった気になったり、
理解抜きで丸暗記しようとしたりしていませんか?
それでは「考える力」はつきません。
じっくり考えるモードに頭を切り替え、一歩一歩思考を進めてみましょう。
その経験が積み重なれば、徐々に「考える力」がついてくると思いますよ♪