苦手や得意がどの程度遺伝で決まるかは、さまざまな説があります。
研究や論文を扱ったあるページでは、「○○は才能で決まる」と書いてあったり、
別のページでは「受験の範囲では、大きな影響はない」と書いてあったり……。
親御さんの中でも、「自分の苦手が遺伝してるんじゃ…」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、こういった研究では、統計的な傾向や多くの人に当てはまる、ということしか言いづらいため
結局のところ個々の親子についてどうかは分かりません。
能力の遺伝の有無はともかくとして、このことに関して親御さんがお子さんに
どのように接するかは考えることが出来ます。
つまり、例えばお子さんも親御さんも両方同じ教科が苦手だった場合、
「遺伝だからしょうがないよ」
と言ってしまうかどうかです。
お子さんとしては、点数が取れなくて悩んでいる時に「遺伝だから」と言ってもらえれば
『だったらしょうがない』と救われる部分もあるかもしれません。
一方、お子さんは頑張りしだいでもっと出来るようになったかもしれないのに、
そう言われることで、『遺伝だから、自分は出来ないんだ』と
自分の可能性を閉ざしてしまう可能性もあります。
お子さんの可能性を考えると、まだ勉強を頑張っていきたい、と思っているうちは、
遺伝だからしょうがないとは言わずにいてあげたほうがいいように思います。
むしろ、「これから自分の頑張り次第でどんな風にもなれる!」と言ってあげた方が、
モチベーションが湧くことでしょう。
もしお子さんがずっと困ってた勉強以外にやりたいことを見つけて、
勉強に見切りをつけて他のことを頑張りたいとなったときには、
「しょうがなかった」と言っていいかもしれません。
勉強で挫折したことに納得できて、切り替えて次の目標に向かっていけます。
別の状況として、親御さんが得意だった教科をお子さんが苦手だった場合も
言い方に注意が必要です。
「なんでこんな簡単なことが出来ないんだ!」というふうな言い方をしてしまうと、
お子さんは自分がダメなんだと自己否定に向かってしまいます。
何でつまづいているのかを質問・会話して、原因は何なのかを気づかせてあげる方が
お子さんのためになるかと思います。
かける一言一言にそう神経質になることはないかもしれませんが、
口癖のように何度も言ってるような言葉は、お子さんの心理に影響が及ぶものです。
よく会話して、様子を見て、できるだけ可能性を伸ばす声かけをしてあげてくださいね。