数学の概念はがとっつきにくい原因として、
「手に触れられない」ということがあるかもしれません。
「1,2,3」などなら、指を数えて実感することが出来ますが、
たとえば「x²」などは、私たちの生活の感覚からは遠い気がします。
しかし実は身近に“2乗”を感じられるものがあります。
それは、【磁石】です。
皆さん、磁石を両手に持って少しずつ近づけていくと
あるところで急に引っ張る力が強くなってくっついてしまう感覚がありませんか?
実はあれが“2乗”の感覚です。
2つの磁石が引っ張り合う力(F)の公式は
F = km×m₁×m₂ / r²
(m₁:磁石1の強さ m₂:磁石2の強さ r:2つの磁石の距離 km:比例定数)
です。
m₁、m₂はそれぞれの磁石が持っているポテンシャル、
kmについては今回は「そういうのがある」とだけ思って頂ければOKです。
大事なのは、右辺の分母になっている「r²」です。
たとえば2つの磁石の距離 r が 8cm とし、そのときの引っ張る力をF₁とすると、
F₁ = (km×m₁×m₂) / 64
ですね。
では2つの磁石の距離 r を半分に近づけ4cmにし、その引っ張る力をF₂とすると、
F₂ = (km×m1×m2) / 16
となります。
こうしてみると、
F₂はF₁の4倍大きい、
つまり、
“r(距離)を半分にすると、力が4倍になる”ことが分かりますね。
一般化して数学的に言うと、「引っ張り合う力は、距離の2乗に反比例」します。
距離を1/3に近づけるとにすると力は9倍になり、1/4に近づけると力は16倍になります。
☆ ☆ ☆
変数の2乗は急激に変化します。
x = 1,2,3,4,5…
と1ずつ大きくなる時、
x²= 1,4,9,16,25…
と、どんどん大きくなります。
今回は、この感覚を磁石で体感できる、という話でした。
手元に磁石がある方は試してみてくださいね♪