数学のセンスを磨くには、書かれていることの【共通点】と【相違点】に着目することが第一歩です。
共通点・・・2つ以上のものの、それぞれが共に持つ性質
相違点・・・2つ以上のものの、それぞれの性質のうち異なった点
たとえば、
「y = 2x + 3」 と 「y = 2x + 7」
この2つについて見てみましょう。
共通点は
・xについての一次方程式
・xの係数が2
・yの係数が1
といったことがあげられます。
一方、相違点は
・切片の値
のみのようです。
手元にペンのある方は2つの方程式のグラフを書いてみてください。
並行する(傾きが同じ)二本の直線ができ、共通点と相違点が一目で分かるようになるかと思います。
ここでもう一つ、【y = 2x + 3 と y = 2x + 7】(・・・以下①とします)に加えて、
「2y = 4x - 8」という方程式についても観てみましょう。
さきほど見た通り、「y = 2x + 3」 と 「y = 2x + 7」の共通点は
・xについての一次方程式
・xの係数が2
・yの係数が1
です。
ここで「2y = 8x - 6」を見てみると、これは①の共通点とは異なる性質を持っていることが分かります。
①と「2y = 8x -6」との相違点を見てみましょう。
相違点は、
・yの係数の値
・xの係数の値
・切片の正負
があげれられます。
もし皆さんに①のタイプの方程式のグラフを書く力があって、
「2y = 8x - 6」のグラフを書く力が無かった場合。
ふたつの相違点に着目することで解法が見えてきます。
まず相違点の
・yの係数の値
が違うことに関して。
これは「2y = 8x - 6」を『両辺を2で割る』ことで
2y = 8x - 6 → y = 4x - 3
と、①と共通する性質を持たせることが出来ます。
次に相違点のなかで気になることといえば
・xの係数
ですね。
これは先ほどのようには解消できませんが、
係数「4」が「2」の2倍だという点に着目すれば、
①の2倍の傾きのグラフを書けばいいと分かります。
最後の相違点、切片が違う点についても、
最初に「y = 2x + 3」 と 「y = 2x + 7」を見比べたときにも、
「切片が違う時にはその分平行移動する」ということが分かりましたよね。
これと同じで、係数を4にして、切片(x=0のときのyの値)を-3までググっと下げればいいと分かります。
このように数学は一つのことを理解すれば、それとの共通点・相違点に着目することで
理論や解法を予想したり確定させたりすることが出来るようになります。
周りを見て「自分より理解が良さそうだな」と思ったら、
その子が“どの共通点と相違点に着目しているか”に考えを巡らせてみてください。