国語の記述や他教科の論述問題・小論文入試など、
文章を書く機会は多くあり、文章力をつけておくといろんな場面で役に立ちます。
「文章力?伝わればいいでしょ?」と思われるかもしれませんが、
文章力がある場合とない場合とでは、どれだけ読み手に伝わるかの“伝わり度”が全然違います。
また、伝えたい内容に対して文章力が追いついていないと、
筆が進まなかったり、読み手に誤解を与える文章になってしまうこともあります。
今回は、文章力UPのための第一歩となる大事な指針、
「一つの文章では一つのことだけを伝える」ということについて
お話ししたいと思います。
☆ ☆ ☆
ひとことで「文章」と言っても、その長さはまちまちです。
皆さんが記述問題で書く文章は10~30文字、多くても100文字ほどでしょう。
また、小論文入試などでは1000文字以上を求めらることもあります。
場面場面によって必要な文字数・求められる文字数は違います。
しかし、文字数が何文字であろうと、
その文章全体をもって【一つのことだけを伝える】ということを意識してください。
こう聞くと、
「一つのこと?15文字くらいなら分かるけど、100文字とかの問題で一つのことだけだと足りなくない?」
と思うかもしれません。
ですが、そんなことはありません。
【一つのことだけを伝える】とはどういうことかというと、
言い換えると【文章全体が一つのゴールに向かう】ということす。
文字数が多くなるほどに、一つの結論に向かうためにいろんな脇道を経由する必要がありますね。
たとえば、例えを提示したり、根拠を示したり、引用したり……
これらは伝わる文章を書くために必要なことです。
ただ、脇道に逸れたままゴール(伝えたいこと)を見失ったり複数のゴールを目指してしまってはいけません。
文章を書くことは、登山で正しい道順を踏んで山頂を目指すようなものです。
複数の山頂なんてものを目指しても、それは実現不可能です。
例えば今みなさんに読んでいただいているこの文章。
『【国語・小論文】文章力UPの第一歩!』というこの文章全体は、
皆さんに「一つの文章で伝えられることは一つなので、文章力UPのためにはまずそのことを意識して!」という
一つのことを伝えることを目指して書かれています。
また、テストや入試の記述問題についても同じことが言えます。
どんなに文字数が多い問題でも、基本的には一つの解答欄では一つのことだけを伝えようとすればOKです。
このことは、問題作成者の気持ちになれば分かります。
もし問題作成者が2つ以上のことを伝えてほしいなら、
解答欄を分けたり「解答欄にそれぞれ書きなさい」といった形式になるはずです。
(実際にそのような形式の問題もよくありますね。)
そうなっていない場合、問題をよく読んでみると
その問題が「何を伝えてほしいか(どんなゴールにたどり着いてほしいか)」は
必ず一つになっているはずです。
ペンを握り「これから文章(解答)を書こう!」と思ったときに、
そのときの伝えたいことを、短い一言で頭に浮かべてください。
そうすることでゴールが明確になり、辿るべき道順が見え、明快で伝わりやすい文章に近づけるはずです。