みなさんは「悪魔の証明」という言葉を聞いたことがありますか?
科学が好きな方や、ミステリーやサスペンスが好きな方はどこかで聞いたことがあるかもしれません。
悪魔の証明とは、簡単に言うと
「無いということの証明」
のことです。
実は、何かが「無い」ということを証明するのは、何かが「ある」と証明するより
難しい(というかほとんど不可能…)な場合が多いんです。
たとえば皆さん、「この世に足が10本ある蟻がいるかどうか」という問題があるとします。
足が10本ある蟻。通常の蟻の足は6本ですので、10本というのはなかなか居なさそうです。
生物に詳しい人は、いろいろな根拠を提示してそのような蟻がいないだろうという説を補強することが出来ます。
たとえば、
「蟻の足が6本であるのはそれが適しているからであり、10本というのは生まれ難い」
「突然変異などで足の数が6本でない例もあるが、せいぜい1~2本の誤差で、4本も多いというのは考えにくい」
といった具合にです。
では、いないことを完全に証明する、つまり、少なくとも今現在“絶対に居ない”ということが出来るかというと、
それは“悪魔の証明”、ほとんどできないんです。
人類はこの世のすべてを把握することはできません。
たとえばまだ人類が足を踏み入れたことがないような洞窟の中には足が10本の蟻がいるかもしれませんし、
気づかないだけで、どこか近くに突然変異でそうなった蟻がいるかもしれません。
このように“可能性を0と言い切ることが出来ない”ため、無いことの証明は難しいのです。
では一方であることの証明はどうすればいいか。
それは、ただ見つければいいんです。そのような蟻を1匹でも見つけて提示することで
「足が10本の蟻は存在する」ということが出来ます。
実際にそのような蟻を見つけることが簡単かどうかはともかく、
証明の手順としては簡単ですね。
“悪魔の証明”という言葉は他にも、
・宇宙人がいるかどうか
・犯罪のアリバイ捜査
・数学や自然科学
といった場面で使われます。
知らなかった方はこれを機に、
身近に悪魔の証明っぽいことがらや、そのようなことを言おうとしている人がいないか
アンテナを張ってみてくださいね♪