掛詞 ・・・ 一つの言葉に、同音異義語の二つの意味をこめる表現技法。
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秋風に 山の木の葉の 移ろへば 人の心も いかがとぞ思う (素性法師)
この短歌には掛詞が使われています。
それは「秋風」。なにげない普通名詞ですが、実は「秋」と「飽き」の二つの意味が込められています。
こう聞くと皆さんのなかには「ダジャレじゃん」と思った方もいるかもしれません。
確かに、言ってしまえば掛詞はダジャレです。
では、何のためにそんな掛詞を使ったのか。単なるダジャレとはどのような違いがあるのかなど、
見ていきたいと思います。
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違い① 言葉の数
例えば、ふとんがふっとんだというダジャレの場合、「ふとん」という単語が二回登場します。
つまり、二回同じ音を口にしますね。
一方で掛詞の場合は違います。重複している言葉は、一回だけ登場します。
その単語が二つの意味を持っていることは、あくまでほのめかすのみです。
違い② 目的
ダジャレの目的はその面白みのためですが、
なぜ面白いかというと、それはナンセンスな(=意味が無い)言葉の連なりということがあるかと思います。
対して掛詞にはいくつかの目的・意味があります。
掛詞は和歌の表現技法の一つです。
昔の人にとって和歌はとっても大切で、恋愛の告白の際や、天皇や上皇のために捧げたりする役割もありました。
和歌の上手さで恋人ができたり、仕事の昇進に関わってたりするんですね。
そんな和歌に掛詞すなわちダブルミーニングが含まれていたら、
「おおー、こやつやりおるな!」
「好き!」だったり
「昇進させちゃおうかな」
となるんです!
つまり、大切な人たちに気に入られる、という目的があります。
今なら考えられない感覚ですね(笑)
また、五、七、五、七、七 という少ない字数制限の中で伝えられる意味を増やすという目的もあります。
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ダジャレと掛詞の違いはいかがだったでしょうか?
似たようなものでも今と昔で意味がガラっと変わるなんて面白いですよね。
ぜひ、和歌の趣を楽しんでみてくださいね♪