2025年度(令和7年度)の全国学力・学習状況調査の地域別結果が文部科学省より公表され、都道府県および政令指定都市ごとの学力傾向が明らかになりました。
今回の調査では、小学6年生と中学3年生を対象に、国語・算数(数学)・理科・英語の教科における学力と学習状況が分析されており、地域ごとの教育施策の成果や課題が浮き彫りとなっています。
中学校数学においては、全国平均で最も正答数の少ない層(D層)の割合が23.7%で、石川県では18.8%、さいたま市では18.6%と全国で最も低い水準を記録しました。
これは基礎学力の定着が進んでいることを示しており、授業改善や個別指導の成果が反映された可能性があります。
一方で、沖縄県ではD層の割合が35.5%と全国で最も高く、学力の底上げに向けた支援が求められています。
理科では、2025年度からCBT(Computer-Based Testing)方式が導入され、より多様な問題形式が可能となりました。
全国平均で最も低い層(バンド1)の割合は4.2%でしたが、秋田県では1.8%と非常に低く、理科教育の充実がうかがえます。
対照的に、堺市では9.2%、沖縄県では6.7%と高い割合を示し、地域間で理科の理解度に差があることが確認されました。
小学校の調査結果においては、都道府県間の平均正答率に大きな差は見られず、全国的に学力の均質化が進んでいると評価されています。
これはGIGAスクール構想によるICT環境の整備や、全国的な教育指導の標準化が影響していると考えられます。
また、英語のスピーキングテストでは話す力の評価が本格化しており、地域によってスピーキング力の育成状況に差が見られました。
都市部ではALT(外国語指導助手)の活用や英語活動の充実により、比較的高い成果が出ている一方、地方では指導体制の整備が課題となっています。
このように、地域別の結果は教育施策の成果を測る指標として重要であり、自治体ごとの取り組みの違いが学力に反映されています。
文部科学省はこれらの結果をもとに、教育格差の是正と個別最適な学びの実現に向けた支援を強化する方針を示しています。
各自治体も調査結果を分析し、授業改善や教員研修、家庭との連携強化など、地域に根ざした教育改革を進めていくことが期待されています。