日常生活や学習の中で、「この数はどれくらいなのだろう?」と疑問に思うことがあります。
詳細な統計やデータが無いと正確に調べるのは難しいですが、手がかりからおおまかな数を推定する力は勉強にも役立ちます。
そこで注目したいのが「フェルミ推定」という考え方です。
フェルミ推定は、正確なデータが手元にないときでも、問題の要素を簡単に分解し、近似値を導き出す手法で、物理学者エンリコ・フェルミの名にちなんでいます。
・フェルミ推定の基本
フェルミ推定の特徴は、複雑な問題をいくつかの要素に分け、一般的な知識や常識を使って概算を積み上げるところにあります。
例えば「日本に自動販売機はいくつあるか?」という問いを考えてみましょう。
日本の人口と自動販売機の普及率などを手がかりに、「おおよそこのくらい」という数を求めます。
ここで重要なのは、厳密な答えを出すことではなく、筋道を立てて考える過程です。
この手法は、正確に調べることが難しい問題について論理的に考え、ざっくりとした答えを出すものだと紹介されています。
求められるのは数値の精度ではなく、限られた情報から論理的な仮説を立てて答えに近づく力です。
分解した各要素には、自分が持っている知識や近似的な情報を当てはめ、結果を掛け合わせたり足し合わせたりして概算します。
・身近な例で練習してみよう
フェルミ推定は特別な人だけが使うものではありません。
例えば、学校の体育館に敷き詰められたマットの枚数や、町内のマンホールの数、夏休みに読んだ本のページ数など、自分の身の回りの疑問から始められます。
「体育館の床の広さ」「マット1枚の面積」を掛け合わせるだけでも概算ができますし、家族や友達と一緒に考えると楽しさも増します。
重要なのは「だいたいこれくらい」という感覚を大切にすることです。
のように、フェルミ推定は正確な解答を出すことが目的ではなく、直感的に予測しにくい数値を論理的に概算するのが目的だと説明されています。
・フェルミ推定で身につく力
フェルミ推定を繰り返すことで、論理的思考力や問題解決力が鍛えられます。
課題を小さく分けて考える「分解力」や、人口・面積など基礎的な数字の知識を活用する力が養われるほか、短時間で大まかな規模感を把握する習慣が身につきます。
また、仮定を立てて検証するプロセスを通じて、答えが必ずしも正確でなくてもよいことを学び、数字への苦手意識が減っていきます。
さらに、フェルミ推定はビジネスや研究の現場だけでなく、学校の授業や日常生活でも役立ちます。
例えば理科の実験の前に「この試薬の量で何人分の実験ができるだろう」と予想したり、体育祭で「全校生徒が並んだらどのくらいの長さになるか」を考えたりすると、実際の作業を効率的に進めることができます。
こうした思考法は高校入試や大学入試の数学・理科の応用問題に取り組む際にも役に立つでしょう。
フェルミ推定は、限られた情報から論理的に仮説を組み立てて概算値を導き出す思考法です。
細かな数字にとらわれず、大きな数を身近な手がかりに置き換えながら「なぜそうなるのか」を考えることで、思考力は着実に伸びていきます。
家庭教師の授業でも、こうした推定遊びを取り入れることで、机上の勉強だけでは身につきにくい思考力を育むことができます。
皆さんも身近な疑問をフェルミ推定で考え、論理的に考える楽しさを体験してみてください。