数学の記述問題は、
テストの受験者が
①正しい方法で答えにたどり着こうとしたか
を見つつ、
②採点者を説得するために必要なことが書かれているか
を見ています。
採点者は①を見ることで
「公式を使ってこの値を出すところまでは出来たんだな…」
「図形のここに補助線を引くところまでは出来たんだな…」
といったことが分かり、最終的な答えが出なかったり、間違っていたりしても
部分点をくれます。
また、②を見ることで
「最終的な答えはあってるけど、途中過程を飛ばしてるな」
「答えとしてはあってるけど、『a>0なので~』といった、重要な条件に触れてないな」
と分かり、答えがあっていたとしても、記述の面で減点してきます。
つまり。数学で得点する上で、①、②はいずれもとても重要な能力なんです。
そして、実はこの能力は、数学力そのものでもあります。
なぜかというと、
数学は、
“主観的”(自分だけでそう思うこと)に
「この答えはコレのはずだ!!」と言ってもダメで、
客観的な正しさ(十分な数学力がある人なら誰が見ても「そのとおり!」とわかること)が
絶対に必要だからです。
誰が見ても正しいとわかるためには、正確な記述が欠かせませんよね。
さて。では、どのようにしてその能力が身につくかというと、
それがタイトルにも書いた「模範解答と自分の解答を見比べてみる」ことです。
数学の模範解答には、答えが出るまでの手順が、
必要かつ十分な量、最も洗練された形で書いてあります。
それを見ながら、
「なんでここに、この一文が入ってるんだろう?」
と考え、先生に質問してみたり、
「式変形の過程はこうやって書くといいのか!」
と記述法の参考にする習慣をつけると、
数学力、そして数学の記述力は格段にアップします。
いままで、
「記述問題の模範解答でも最終的な答えしか見てなかった」
という方も、
「模範解答をなんとなくでしか見てなかった。」
という方も、
今回ご紹介した「模範解答と自分の解答を見比べてみる」ことを、
ぜひやってみてくださいね。