突然ですが、
5 × 2 = ?
という問題は、ほとんどの方が分かるかと思います。(答えは10ですね)
では、
□ × 11 = 22
□に当てはまるのは?
という問題ならどうでしょう。
おそらくこれもほとんどの方が分かったかと思います。
11をかけて22になるのは「2」ですね。
さて、実は数学が出来るかどうかは、
この2問が解けるかどうか、という問題とよく似ているんです。
というのも、1問目は、いわば「かけ算というものを知っているか」を問うてます。
しかし、2問目は、「かけ算というものを理解しているか」を問うていると言えます。
1問目は普通のかけ算の形で、これだけだったら「ごいちがご…ごにじゅう…」と
歌を覚えるように覚えてしまえば解けてしまいます。
しかし2問目はこうはいきません。
なぜなら、覆面算の形になっていますし、
多くの方は「12の段」なんて覚えていないからです。
この問題を解くには、「かけ算」という操作がどのようなものかを
分かっていないといけません。
(かけ算は同じ数を何回足すかということなので、
「22だから…、11を2回足すといいんだ」と分かるわけです)
数学が得意になるためには、1問目だけが解けるのでは不十分で、
2問目を解けるようになるための“理解”と“思考力”が必要です。
これは、いま例に出したかけ算の問題だけに当てはまることではなく、
むしろ、中学、高校と、
問題が難しくなるにつれ必要になってくることです。
たとえば、三平方の定理の問題で「直角をなす二辺から、斜辺の長さを求めよ」という問題は解けても
「斜辺ともう一辺から、余った辺の長さをを求めよ」という問題が解けないのであれば
三平方の定理が“わかった”とはいえません。
また、「3人でじゃんけんをしてあいこになる確率」という問題の答えを覚えたとしても
「4人でじゃんけんしてあいこになる確率を求めよ」という問題が解けないのでは、
確率が“わかった”とは言えません。
つまり、数学が“わかる”という状態とは、このように
「いろんな問題に対応できる」状態だと、言い換えることが出来るかもしれません。