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家庭教師のマナベスト 福井県 スタッフブログ

【理科】
“ひょう”は五月に多い!?

2023/05/03




空から5mm以上の氷の粒が降る現象のことを雹(ひょう)といいます。

雪やあられ等よりも大きく硬く重いものも多いため、

人にあたると怪我を負ったり、車や窓ガラスの破損につながったりします。



さて、そんな雹ですが、日本で最も雹の多い季節は

意外にも“5~7月”です。


雪やあられの仲間である雹が、なぜ初夏に観測が多いのでしょうか?




その秘密は、大気の上昇・下降やそれに伴う温度の変化などにあります。


まず、雹は、

『大気下層が暖かく、上層に寒気が残っている』

という限定的な大気の状態でのみ起きます。



初夏になって日射が地面を暖め、地表付近の空気が暖かくなります。

その一方、大気上層に、大陸から寒気が流れ込んだり残っていたりすることがあります。


そうなると、大気下層に暖かい空気、上層に冷たい空気があることになります。


実はこのような状態はとても“不安定”なものなんです。




下層の暖かい空気は、密度が下がって「軽く」なり、

上層の冷たい空気は、密度が上がって「重く」なります。



「軽い空気が下にあって、重い空気が上にある」

という状況を想像してみてください。


重い空気が上から落ちてきて、入れ替わるように軽い空気が上昇すると思いませんか?


そうして急上昇した空気が積乱雲になり、雹を生みます。





つまり、初夏の「地表付近の暖かさ」と「上空の冷たさ」という二つの条件が合わさって

雹につながっているということです。


「初夏に雹が多い」というのは直感的には意外に思えることですが、

科学の目で見てみると、その理由を納得できますね!