「プラスチックの下敷きを床に落としたら、
ツルツルで指をかけるところがないのでなかなか拾い上げられなかった」
こんな経験を誰でもしたことがあるかと思います。
平べったい下敷きは、拾いあげようにも手でつまむところがないので難しいですよね。
表面に持ち手があったり、ひとつの隅が折ってあったりすれば……とも思うのですが、
それでは下敷きとしての機能が悪くなってしまいます。
どんなものでも、表面がツルツルしているよりは、
なにか“ひっかかり”があったほうが持ち運んだりつかんだりしやすいものです。
洗濯機なんかには側面に運搬用の手を入れる穴があることで運びやすくなりますし、
ロッククライミングでは、壁面のデコボコに手をかけます。
さて、この「ひっかかりがある方が扱いやすい」という性質は、
実は勉強に大事な「記憶」についても言えます。
覚える物事が、自分にとって“ひっかかる”ものである方が覚えやすいということです。
例えば、歴史上の人物を10人、その人物の顔写真と合わせて覚えないといけない場合を考えてみましょう。
10人のリストを見た段階では、どの人も同じように見えてしまって、区別がつかず覚えられません。
しかし、もしその10人の中に、あなたの友人と本名がとても良く似てる人がいたらどうでしょうか。
その人物のことだけは、
「この人は○○と名前が似てる人だ!」
と覚えられるし、
もし顔写真だけをみて名前を答えるテストを出された時でも、
「この顔の人は、○○と名前が似てる人だから」
と、記憶から名前を取り出せると思いませんか?
これが、覚えるための“ひっかかり”です。
ツルツルしていて無機質な名前が並ぶ中で、
自分にとって印象深いものだけは自然に思い出すことができます。
このように“ひっかかり”を使って暗記をする場合、
もちろん、全ての暗記事項ついて、「似てる名前の友達がいる」のような“ひっかかり”が
最初から備わってるわけではありません。
ですので、何も“ひっかかり”を感じなかった場合は、
自分なりに何かを関連付けたりして、“ひっかかり”を創造しないといけないのです。
例えば、
・英単語帳の覚えにくい単語の横に、その意味を表す印象的なイラストを描く
・物事の名前自体に注目し、なにかしらの面白みを見つける
・周辺知識をそろえ、それとの関連から思い出せるようにする
といった感じです。
初めてそれを目にするとき、多くの物事は、
床に落としたプラスチックの下敷きのようにツルツルで、とっかかりがないものです。
そのままの状態では、頭の中で取り扱うのが難しく、いつまでも暗記できません。
そこで、皆さんなりの“ひっかかり”を創り出し、頭の中で自由自在に持ち運びできるようにしましょう!
やみくもに覚えようとするより短い時間で暗記が進むと思いますよ♪