まず多くの方にとって「数学は考える教科」というイメージがあるかと思います。
確かにクイズなどの一問一答とは違って、
数学では自分の知っている知識を使ったり組み合わせたりして、新しい結論を導き出す場面が多くあります。
つまり暗記だけではいけないということですね。
一方で、「数学は暗記すればいいんだ」と思う方もいます。
皆さんも経験があるかと思いますが、基本的な問題では暗記した公式に値を当てはめるだけで答えが出たりします。
また、ある程度発展的な内容になったとしても、受験においては範囲が決まっているため、
よく出る問題の解答の手順を暗記することで受験で不利にならないくらいには対応できるようになります。
数学に対するこの2つの見方は、実際には双方どちらも捨て置けないものだと思います。
数学では「考えること」は絶対に欠かせません。
公式や定理は、その理屈について考え理解することで適切に使うことができるようになります。
ただ公式を語呂合わせなどで覚えたとしても、理屈が分かっていなければ、たいてい間違った使い方をしてしまいます。
また、試験本番で始めて見る問題に出会ったときには、それまで鍛えてきた思考力が試されもしますね。
また、「暗記」についても同様です。
例えば、「27÷3」を考える必要が出たとき、わざわざ思考力を使って
「割り算はもとの数から割る数を何回引けるかを考えて…」と考えはしないかと思います。
中学生以上ならほとんどの方が“暗記”した九九を使って、
「27は…。サン“ク”・ニジュウシチ」とだけ考え、「9」と答えを出すと思います。
「27÷3」の例は【算数】ですが、数学でも同様です。
問題に出会うたびに自力で理論を立て解答を編み出そうと思っても、時間的にも思考力的にもさすがに難しいでしょう。
「こういう問題はこうアプローチする」という方法を暗記してしまった方が絶対にいいです。
以上のことから皆さんに心がけてほしいのは、「考えること」と「暗記」のハイブリット、
つまり「理解を伴った暗記」です。
公式や定理・解法などの理屈を理解したうえで、それを暗記するという意識を持ちましょう。
これはさっきの「27÷3」の例で言うと、
暗記した九九を使ってサッと答えるけど、
もし誰かに『掛け算、割り算ってどういうこと?』と聞かれたときにはしっかり答えられる、という状態です。
数学で言うと、
「こういう問題にはこうアプローチする」
「この問題にはこの公式を使う」
ということはある程度暗記で覚えつつ、
「じゃあなんでそのアプローチで答えが出るの?」
「その公式はどうして正しいと言えるの?」
と聞かれたときに自信を持って答えられるということです。
数学が苦手な方は多いですが、おそらく
「暗記が足りない=勉強時間が足りない」
か
「考えていない=理解が必要という意識が薄い」
のいずれかになってしまっているのだと思います。
「理解を伴った暗記」を意識して勉強すれば、きっとどんどん数学が分かってくると思いますよ♪