英語を勉強していくうえで、過去形は最も重要な時制の一つです。
過去形についての基本的なイメージは
I played tennis. (私はテニスをしました。)
のような過去の意味を思い浮かべますよね。
しかしながら、過去形を使うとより丁寧な表現になるといったことも授業で聞いたことがあると思います。
Can you~? (してくれませんか?)
Could you~? (してくださいませんか?)
このようにCanの過去形Couldを使うとより丁寧にお願いをすることができます。
過去を表す過去形がなぜ丁寧な表現で使えるのか、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
その理由の核となるのは「距離感」です。
過去形を使う文法は複数ありますが、そのほとんどは「距離感」の考えで解釈することができます。
基本的な「過去」の意味における過去形は「時間的な距離感」、現在から時間的に距離がある、つまり過去の意味になります。
「丁寧表現」での過去形は「対人的な距離感」を表し、話し手と聞き手の間に距離を作ることで丁寧な意味になります。
また中学の最後に習う「仮定法」といった文法でも、使う動詞は過去形ですが実際に訳す際は現在形で訳すといった複雑なルールがあります。
この「仮定法」における過去形は「心理的な距離感」を表しており、
現実から心理的に距離のある意味、つまり仮定の意味(もし~だったらな)を表すことができます。
「丁寧表現」や「仮定法」では「時間的な距離感」の意味としてではなく、違う「距離感」の意味として過去形が使われているので、
日本語に訳すときは過去形でありながら現在形の意味になるということです。
理屈さえわかってしまえば覚えるのも少し楽になると思います。
ただ丸暗記するのではなく理屈も一緒に覚えることで、忘れにくい知識になると思いますよ♪