理科では、気体や液体など(=流体)の動きを考える場面が多くあります。
例えば、大気中の空気の移動である「気象」特に「風」、熱の伝わり方の「対流」などです。
流体の動きは、手に持って扱える鉄球やバネなどとは違い、
触れなかったり動きが目に見えなかったりするので若干想像しづらいところがあります。
ただ、ある別のものに置き換えて考えることで、流体の動きもイメージでとらえやすくなります。
それは、水槽の中にとても細かいビーズを満たしたような実験道具です。
ビーズひとつひとつ自体は鉄球などと同じ“剛体(形が変わらないもの)”ですが、
それを液体や気体の分子の集合に見立てることで、流体のイメージを可視化することができるのです。
例えば、「風」はなぜ起きるものだったでしょうか?
答えは「気圧差」です。隣り合う2つの地点にかかってる気圧の大きさの違いが風を生みます。
これを、水槽に入れたビーズで考えてみましょう。
水槽には真ん中に仕切りがあり、左側に青色の重いビーズ、右側に赤色の軽いビーズがあるとします。
(手元に紙がある方はぜひ一度描いてみましょう!)
仕切りを外し、動きを滑らかにするために水槽の外から細かい振動を与えてみたらどうなるか想像してみてください。
左側にあった重い青色ビーズが、右側の軽い赤色ビーズの下にもぐりこみ、逆に軽い赤色ビーズは左上に向って移動すると思いませんか?
そうして、【左:重い 右:軽い】だったビーズの関係は、【下:重い 上:軽い】という安定した状態に変わります。
このビーズの移動が、大気中の空気の移動、すなわち風の発生原理を表しているんです。
(※ここでは「気圧差」を2つの空気(ビーズ)の重さの違いと考えていますが、実際には気体による圧力の違いです。)
ただ一つ注意してほしいのは、この模式は、膨張・縮小を考慮していないということです。
個体に比べて液体は、そして液体に比べて気体は、温度によって膨張・縮小しやすいです。(温→膨 , 冷→縮)
温度による膨張・縮小はその体積と密度を変化させ、それは直接、圧力にも関わってきます。
(風の例にしても、基本、気圧差は温度差によって生まれます)
イメージ力が追いつくなら、ここで扱ったビーズは、
温めると量が増えて軽くなり、冷やすと減って重くなるような、変なビーズを想像すると良いと思います。
物理分野はまずイメージすることが大事です。
苦手な方は身近なものの動きに置き換えて考えてみると理解がはかどると思いますよ♪