受験について考えるようになると、かならず「偏差値」という言葉に出会います。
なんとなく、「勉強が出来ると高くて、出来ないと低いヤツ」という
イメージを持っていつつ、その正確な定義については曖昧な方も多いのではないでしょうか。
「偏差値」というものは、漢字で「偏り」と「差」の「値」と書くとおり、
1.受験者によってどれだけ得点に“偏”りがあるか
と、
2.平均点からどれだけ“差”があるか
によって割り出される値になります。
「50」が基準となり、平均点ぴったりの点数を取れば偏差値は50に、
平均より高い点を取れば50以上に、低い点を取れば50以下になります。
そして、こうして割り出された偏差値を元に、
受験生は自身の位置を測ったり、志望校の難易度を表したりします。
より分かりやすい【2.平均点からどれだけ差があるか】から先に説明します。
例えば、Aさんが国語のテストと数学のテストで、どちらも同じ100点中65点を取ったとします。
こんなとき、Aさんは「国語も数学も同じくらいの実力」だと、常に言えると思いますか?
答えはNOですね。例えば今回のテストにおいて、国語の平均点が80点で、数学の平均点が40点だった場合、
Aさんは簡単なはずの国語は平均点以下だったけど、数学は平均点を上回った、
つまり「数学の方がだった得意だった」ということになります。
このように、偏差値では「平均からの離れ具合」を表現できるため、
単純に点数だけでは分かりずらい実力を数値化してくれます。
次に、【1.受験者によってどれだけ得点に偏りがあるか】の説明です。
今度は得点も平均点も同じだった場合も考えてみましょう。
「国語のテストの平均点が50点で、Aさんの得点が80点」
「数学のテストの平均点が50点で、Aさんの得点が80点」
さて、この場合、Aさんの国語と数学は、どちらも同じ偏差値が常に出るでしょうか?
一見そうなりそうですが、答えはNOです。その理由が、「偏り」です。
例えば、今回の国語のテストがあまり差がつかない内容のもので、
受験者40人のうち、39人が40~60点の間にギュッと詰まって居たとしたらどうですか?
そんななかで一人だけ80点を取れているAさんはかなりずば抜けて優秀と言えますね。
この場合、偏差値はとても高く出ます。
一方、数学のテストが、上位層と下位層がはっきり二極化される内容のもので、
受験者40人のうち、25人は40点以下、15人は80点以上取っていたとしたらどうでしょう。
この場合は、80点という点数は、上位層に入るものですが、すごく優秀と言えるほどではないですね。
偏差値もそれほどは高く出ません。
このように偏差値は、試験問題の内容、受験生の質などによって生まれる点数の“偏り”も反映して
受験者の実力を数値化しているということです。
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模試などの返却で偏差値を気にして見ることで、得点や平均点だけ見ていたころより
多くの情報を得られるかと思います。
自分の良かったところ、足りなかったところを偏差値からしっかり把握し、
計画的に勉強を進めていきましょう!