大戦中、戦闘機が敵からの射撃によって受ける損傷を最小限にするために、
「攻撃を受けやすいところに装甲を施そう」
ということになりました。
そこで、任務から戻ってきた戦闘機の“損傷している箇所”を調べ、
そこに装甲を施そうとしました。
しかし、ある人は気づきました。
「任務から戻ってきた戦闘機が受けている損傷ということは、
くらっても帰還できる程度の損傷だったということでは?
帰還できなかった戦闘機こそ本当に致命的な射撃を受けているはずだ。
装甲は帰還した戦闘機が“損傷していない箇所”にこそ施すべきだ」
・ ・ ・
これは、“生存バイアス”という言葉を説明するためによく使われる逸話です。
我々がなにかデータを取ろうと思ったとき、その対象となる集団は、
ある選別があった結果できたものかもしれません。
その場合、その影にはデータ上は消えてしまって見えないサンプルが大量にあるはずです。
これは、受験にも言えることです。
受験に関する情報があふれている昨今ですが、
やはり皆さんが興味を持ち、目に入ってくるのは「合格者の声」でしょう。
「この参考書だけで受かった」
「秋から勉強を始めたけど受かった」
「授業を受けてるだけで受かった」
受かった本人は、自身の経験から本心で話していて、同じ方法を人にも薦めたいと思っています。
しかし、人目を集める合格者の影には、人知れぬ不合格者の体験が隠れているんです。
「この参考書だけで受かった」/「同じ参考書をしたけど受からなかった」
「秋から勉強を始めたけど受かった」/「自分は夏から始めたけどダメだった」
「授業を受けてるだけで受かった」/「それだけでは足りなかった」
受験を控えているなら、誰しも合格者に憧れるものです。
合格体験記をいくつも読み、「自分もこうやって合格しよう!」と計画を立てます。
そのこと自体は良いのですが、その情報が偏っていないか気を付けてほしいです!
・合格者の意見ばかり聞いてしまっていないか
・同じことをしたからといって本当に受かるか
・自分の身の丈に合っているか
心当たりのある方は、今一度自分の勉強状況を見直してみてください。
また、「不合格体験談」などの上手くいかなかった人の話を聞くことも
いい教訓になると思いますよ♪