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家庭教師のマナベスト 新潟県 スタッフブログ

【日付で数学・特別編】
「2024」年の問題にチャレンジ!

2024/01/02

あけましておめでとうございます!

新年は2024年ということで、「2024」にまつわる数学の問題を作りました。

正直、かなり難しいです!難易度だけで言うと大学受験レベルと言っていいかもしれません。


しかし、実は「偶数・奇数」「素数」「累乗」の知識さえあれば、

もしかしたら中学の知識でもギリギリ理解できるかもしれない問題です。


ぜひ正月休みのお供に考えてみて、解けなくても読み物として楽しんでみてくださいね♪





          ☆          ☆          ☆





p,qはともに素数。

p^(pq) + (pq)^(p+1) = 2024

を満たすp,qの組を求めよ。

(「^」の記号は累乗を示すもので、例えば「3^2」なら「3の2乗」のことを、

「p^(pq)」なら「pのpq乗」のことを表します。)


☆ヒント

たとえば「16」の平方根が「4」、「27」の3乗根が「3」であるように、

「偶数」の累乗根のうち整数のものは「偶数」、「奇数」の累乗根のうち整数のものは「奇数」です。

このことを頭の片隅に置きつつ考えてみてくださいね。


[方針]p,qは素数とのことなので、まずは試しにpとqに素数を代入してみて

どのような値が適してそうか考えてみましょう。


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では解説を始めます。

この問題を見て、まず着目すべきは数の【偶奇】です。

右辺「2024」は偶数ですので、左辺も全体として偶数になるようにp.qを考えなければいけませんね。


ここで、左辺の状況を分かりやすくするために、


p^(pq) = X

(pq)^(p+1) = Y としてみましょう。



こうすると与えられた式は


X + Y = 2024

となります。



ここで思い出してほしいのが偶奇の和の性質です。

(偶数)+(偶数)=(偶数)、(奇数)+(奇数)=(偶数)ですが、

(偶数)+(奇数)=(奇数)です。


今回、右辺「2024」が偶数であるため、XとYは

X=(偶数)かつ Y=(偶数)

もしくは

X=(奇数)かつ Y=(奇数)

である必要がありますね。




それぞれの場合を、場合分けして考えていきます。




【1】X=(偶数) かつ Y=(偶数) の場合


☆ヒント より、

X=p^(pq) が偶数ということは、pも偶数だということです。

また、pは素数です。「素数かつ偶数」は「2」しかありませんね。


よって

p = 2 

が確定します。


与式にp = 2を代入すると


2^(2q) + (2q)^3 = 2024

qも素数ですので、q = 2,3,… と当てはめていくと、

q = 5のとき成り立つことが分かります。

【q = 5 のとき】

(左辺)= 2^(2×5) + (2×5)^3

    = 2^10 + 10^3

    = 1024 + 1000

    = 2024


もちろんqが5より小さいときは左辺は「2024」より小さく、

qが「5」より大きいときは左辺は「2024」より大きくなってしまいます。

よって、【1】のとき 


p = 2 , q = 5


と、答えの一つが分かります。






ではもう一つの場合分けに移りましょう。


【2】X=(奇数) Y=(奇数)のとき。


改めて、与えられた式は以下のものです。

p^(pq) + (pq)^(p+1) = 2024


ここでは「約数」に注目します。

見てみると、左辺は「p」の累乗と、「pq」の累乗。

その和ですから、

左辺全体として、明らかに「p」で割り切れますよね。

左辺が「p」で割り切れるということは、右辺「2024」も「p」で割り切れる必要があるということです。


素因数分解してみると、

2024 = 2^3×11×23  です。

「2024」はpで割り切れる、

ということはつまり、このときpは「2」か「11」か「23」だとわかります。





また、いま、X = p^(pq) = (奇数)であるため、☆ヒント より、「p」も奇数だと分かります。

よって、p = 2 という候補は消えて、p = 11 または p = 23 に限られます。


[1] p=11のとき


代入すると、

11^(11q) + (11q)^12 = 2024


qは素数ですので、2≦qですが、

試しに q = 2を代入すると

(左辺) = 11^22 + 22^12 となり、

左辺は明らかに右辺の2024より大きくなってしまいます。

(計算すると、約800垓(がい)というとんでもない数です。)

そして、q= 5,7,11…と大きくしていけばいくほど、どんどん2024からはかけ離れてしまいます。


よって、p=11は「不適」ということです。




[2] p=23の時

同様に代入すると

23^23q + (23q)^24 =2024

となり、[1]のときと同様、仮に q = 2を代入すると

(左辺) = 23^46 + 46^24

これも明らかに左辺が2024より大きすぎます。

q = 3,5,7,11… と大きくなればなるほど2024から離れていきます。

よってp=23も「不適」と分かります。




[1][2]より、【2】は不適である と分かりますね。





【1】【2】より、求める p,qは

p=2,q=5 のみだったと、分かります。     ■









          ☆          ☆          ☆





いかがでしたか?

もし中学生の方が読んで理解できたとしたら、それだけですごいことです!

また、分からなかった方も、整数の性質から条件を絞って答えを導く過程の雰囲気を

なんとなく楽しんでもらえたらなと思います。


いまはこのような長い解答を難しく感じたとしても、

一つ一つの知識や発想は教科書に書いてあるような基本の積み重ねです。


地道に積み重ねていって力を付けていきましょう!

いまは分からなかった方も、今年の年末には分かるようになっていることを期待しています!