なにか一つを勉強して習得するだけなら、【テスト】は必ずしも不可欠ではありません。
知識や能力は教科書を読んだり問題集を解いたりすることである程度はつきます。
ではなぜテストがあるかというと、それは自分の出来なかったことを知るためです。
テストで×だったところを自分の出来ないところだと認め、
見直し・復習を通して克服していく。
自発的な勉強のみで届く範囲以上に、隅々まで理解を広げるためにこのプロセスが必要になります。
つまり【せっかくテストを受けたなら、×だったところを克服すべし!】ということです。
さて、では次に【克服】ということについて見ていきたいと思います。
×だった問題の【克服】をどの程度しっかりできるか。これが範囲の理解度に大きく関わってきます。
たとえば、次のような生徒が居たとしたらどうでしょう。
「数学のテストが帰ってきたら、ある問題の解答がほとんど白紙で×だった。
次に同じ問題が出たら困るので、配られた解答を見ながらそれを10回書いて覚えた」
この生徒は、テストの意義が分かっていて、ちゃんと×だった問題を見直し、克服しようとしています。
この努力は尊重したいですが、では、この努力が次の機会に活かされるかというと
かなり微妙なところだと思います。
数学は暗記だけではいけません。解答を10回書いて覚えたとして、
次に全く同じ問題がでる可能性はほとんどないのです。
式の形が一緒だったとしても値が違うかもしれないですし、
値が一緒だったとしても問われ方が違うかもしれません。
たしかにこの生徒は一時的に“解けなかった問題を解けるように”なっています。
ですが、これは暗記、つまり見かけだけです。
答えを覚えただけで、その問題を解くための総合的な力はついてはいません。
【克服】は、暗記ではなく【習得】でないといけません。
その問題だけではなく、その問題を解くための知識やその周辺について理解する。
実際に類題を解いてみて、解けるように理屈を脳に覚えこませる。
実際の行動としては以下のようなものです。
「×だった問題について、解けなかった原因を考える。
そもそも値の計算について分かっていないことがあったので、前の範囲まで戻って復習した。
そのうえで配られた解答を読み、教科書で定理と公式を参考にしながら、解法を理解する。
自分の手でイチから答案を作れることを確認して、力をつけるために類題をいくつか解いてみる。」
これが【習得】です。
暗記とは違って、その同じ問題はもちろんのこと、類題や、
上手くいけば応用問題にも通ずる力が付きます。
これは数学に限ったとこではなく、暗記教科と言われる問題についても重要なことです。
×だったその問題だけをピンポイントで復習するのでなく、
その問題を通して、周辺の知識も押さえなおすこと。
テストの見直しは、【暗記】ではなく【習得】。
この意識を持って取り組んでくださいね♪