みなさんは「覆水盆に返らず」という言葉をご存じでしょうか?
覆水とは水が覆るという字の通り、こぼれてしまった水のこと。
つまり、こぼれた水が盆(中国のボウルのこと)に帰ってこないように、
一度起きてしまったことは二度と元には戻らないという意味のことわざです。
このことわざは次のような故事から出来たものです。
『昔、周という国に公太望さんという貧乏なのに働かず読書ばっかりする人がいました。
そんな公太望さんの妻は見切りをつけて家を出て行ってしまいます。
その後、公太望さんは出世をしお金持ちになります。
するとなんと家を出て行ってしまった元妻が復縁を申し出るんですね。
元妻ですからOKするのかと思いきや、公太望さん、なんと急に盆の水をこぼし始めるんですね。
そしてこう言います。
「このこぼれた水を元に戻せたら復縁してあげてもいいよ」
元妻は取り返しがつかないことを悟り、諦めます。』
実はこれによく似たことわざが英語にもあるんです。
それがこちら
「It is no use crying over spilt milk.」
It is no use ~ing は 「~しても無駄だ」
という有名な文法事項なので(ぜひ覚えてくださいね!)
直訳すると
「こぼれたミルクをみて泣いても無駄だ。」
という意味になります。
要は「起きたことはしょうがないんだから、切り替えていこうぜ!!」
という意味ですね。
It is no use crying over spilt milk.
はよく「覆水盆に返らず」と訳されるのですが
こう見ると、若干ニュアンスが違います。
同じこぼれた液体を見て、
「覆水盆に返らず」の古代中国の人々は
「ああ、もう元に戻ることは無い...辛い」と、多少ネガティブに。
英語圏に住む人々は
「くよくよしても仕方がない、切り替えよう!」と
ポジティブに捉える、と言えるかもしれません。
同じ「液体をこぼした後の反応」ですが、込める教訓が違うんですね。
表現やその仕方に、その国や地域の考え方が反映されています。
漢字の成り立ちなどもそういった例ですよね。
言語を学ぶ意義の一つははここにあると思います。
言語を学ぶ際には他国の文化や考え方などにも触れられるといいですね♪