起立性調節障害は、主に小学校高学年から中学生に多く見られる自律神経の不調による身体の病気です。
実際、家庭教師の問い合わせの中にも、起立性調節障害で不登校になってしまったという生徒さんは多くいらっしゃいます。
特に思春期の子どもたちは、身体の成長やホルモンバランスの変化、学校生活のストレスなどが重なり、自律神経の働きが乱れやすくなります。
この障害は、立ち上がったときに血圧や心拍数の調節がうまくいかず、めまい・立ちくらみ・頭痛・倦怠感・朝起きられないなどの症状が現れ、午前中に強く、午後になると軽減する傾向があるのが特徴です。
特に「朝起きられない」「学校に行けない」といった状態が続くと、周囲から「怠けている」「夜更かししているだけ」と誤解されやすく、子ども自身が強い罪悪感や孤独感を抱えることもあるでしょう。
起立性調節障害の背景には、身体的要因(自律神経の未熟さ)だけでなく、心理社会的要因(学校や家庭でのストレス)も関係しています。
真面目で責任感が強い子どもほどプレッシャーを感じやすく、ストレスを内にため込みやすい傾向があるので、こうしたストレスが自律神経に影響を与え、症状を悪化させることもあります。
また、起立性調節障害は不登校の原因の約3〜4割を占めるとも言われており、学校生活への影響も大きく、症状が重い場合は、昼夜逆転や社会的孤立につながることもあり、早期の理解と対応が必要です。
発症から1年後には約50%の子どもが症状の改善を実感し、2~3年後には約80%が改善傾向に向かうとされています。
ただし、重症例やストレス要因が強い場合は成人期
治療には、生活習慣の見直し(早寝早起き、水分・塩分の摂取、軽い運動)や、学校との連携、心理的サポートが重要となりますが、最も大切なのは、子ども自身が「病気である」と理解し、周囲がそのつらさを受け止めることです。
起立性調節障害は「気の持ちよう」ではなく、れっきとした身体の病気です。
家庭・学校・医療が連携し温かく見守ることが回復への第一歩となり、まわりが正しい知識を持ち、子どもの声に耳を傾けることが何よりの支えになるのです。