絶滅危惧種とは、将来的に絶滅する可能性が高いとされる生物種のことを指します。
これは国際自然保護連合(IUCN)が定める「レッドリスト」に基づいて分類され、種の存続が脅かされている度合いによって「絶滅危惧IA類(Critically Endangered)」「絶滅危惧IB類(Endangered)」「絶滅危惧II類(Vulnerable)」などに分けられます。
これらの分類は、個体数の減少率、生息域の縮小、繁殖能力の低下など、科学的なデータに基づいて評価されます。
絶滅危惧種が増加している主な原因は、人間活動による【環境破壊】です。
森林伐採、都市開発、農地拡大などによって生息地が失われることが多く、特に熱帯雨林や湿地などの生物多様性が高い地域では、急速な生態系の崩壊が進んでいるのです。
また、気候変動による気温上昇や海面上昇、乱獲や密猟、外来種の侵入なども、在来種の存続を脅かす要因となっています。
例えば、アジアに生息するスマトラトラは、森林伐採と密猟によって個体数が激減しており、現在では数百頭しか確認されていません。
日本国内でも、トキやイリオモテヤマネコなどが絶滅危惧種として知られており、保護活動が続けられています。
トキは一度野生絶滅とされましたが、中国からの個体導入と繁殖によって再び自然界に戻され、現在では佐渡島で野生復帰が進んでいます。
ホッキョクグマは、北極圏に生息するクマ科最大級の肉食哺乳類で、地球温暖化の影響を最も強く受けている絶滅危惧種のひとつです。
IUCNのレッドリストで「危急種(Vulnerable)」に分類されており、将来的な絶滅の可能性が高いとされています。
ホッキョクグマの生息に関する最大の脅威は、温暖化による海氷の減少です。
海氷は狩りや移動の場であり、これが失われると餌の確保が困難になり、特に母グマは脂肪を蓄えられず子グマに十分な乳を与えられなくなるなど、繁殖にも深刻な影響が出ています。
また、北極圏には世界中から有害化学物質が集まり、ホッキョクグマの体内に蓄積されていて、これにより免疫力の低下や繁殖障害が報告されており、世代を超えた影響が懸念されているのです。
絶滅危惧種の保護には、国際的な協力と地域レベルでの取り組みが必要であり、保護区の設置、繁殖プログラム、環境教育、法的規制など、多角的なアプローチが求められます。
単に一つの種を救うことではなく、私たち人間を含むすべての生命の未来を守ることにつながっていますね。