バナー
バナー
バナー

ホーム > 対応エリア > 京都府 > スタッフブログ > 【数学】累乗の数の増加の仕方

家庭教師のマナベスト 京都府 スタッフブログ

【数学】累乗の数の増加の仕方

2022/07/19

皆さんこんにちは。

本日は数学に関するちょっとしたお話しをしたいと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


突然ですが、皆さんが親とお小遣いの約束を交わそうと思ったとき、


「1日あたり200円あげる」(―Ⓐとします)

と言われた場合と、

「月の1日目は1円、2日目は2円、3日目は4円、4日目は8円…という風に、

1円から始まって、月末まで一日あたりにあげるお小遣いが2倍されていく」(―Ⓑとします)

と言われた場合、

どちらを選ぶとより多くのお小遣いをもらえると思いますか?



Ⓐは、月の1日目から200円をもらえるのに対して、

Ⓑは、月の1日目はたったの1円、2日目は2円……、5日目でもまだ16円です。


こうして並べてみると、直感的には、Ⓐの方が多くのお小遣いをもらえそうですよね。




しかし、実際に計算してみると、

Ⓑの方が圧倒的に多いお小遣いをもらえるということが

分かります。




月が31日まである7月で考えてみましょう。


まず、Ⓐの場合。

一日当たりのお小遣いが200円ですので、

ひと月にもらえるお小遣いは

200(円)×31(日)= 6200(円)

ですね。



次にⒷの場合。

1日あたりのお小遣いが、1円からスタートして2倍、2倍…となっていきますので

ひと月にもらえるお小遣いの計算式は

1+2+4+8+16+32+64+128+256+……+○○=△△

といった形になります。(上式を「(☆)」とします)




上式(☆)において、例えば「32」は、6日目のお小遣い、32円を指します。


ここで、x日目のお小遣いがy円、という風に一般化すると、


y=2^(x-1) ( ←「2の(x-1)乗」を表します。)


となります(日を重ねるごとに2倍、2倍となっていくので、2の累乗で表せます)。

確認のために6日目を見てみると、

たしかに2の(6-1)乗の32円がお小遣いになっていますね。





さて、すこし難しい話が出ましたが、

ここで本題です。


1日目から31日目までの日々のお小遣い、

つまり、

xが1の時から31の時までのyの値、

これらを足し合わせたら、いくつになるでしょうか。

ぜひ頭の中で「このくらいかな」と予測を立ててみてください。










途中計算は、高校でならう『数列』というものを使うため

難しくなるので省きますが、


Ⓑの場合の一か月あたりのお小遣いは、


なんと、


21億4748万3647円になるんです!!




2日目までは1+2で“3円”、

5日目まででも1+2+4+8+16で“31円”だったのに、

46億なんて数になるとは、

恐ろしいですね……。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



さて、以上の話から分かりますが、

“累乗”で増加していく数値は、元の値がそれほど大きくなくても、

「x乗」のxの値が上がっていくにつれて、ものすごいペースで伸びていきます。



例えばここに、

「n^x(nのx乗)」

という数と、

「n×x(nかけるx)」(ともにn,xは正の数)

という数字があったとしたら、

xが小さいうちは「n×x」の方が大きいこともあるかもしれませんが、

xが十分に大きくなるにつれて、「n^x」は「n×x」より圧倒的に大きな数に

なり、その差はどんどん離れていきます。

(ただしnが1以下の数の場合はこの限りではありませんので、注意が必要です)





以上の事実は、中学数学で出がちな『値の大小比較』や、

特に高校数学でグラフを書く際に、

とても良い指針になる知識です。


さらに、意外に思われるかもしれませんが、

感染症の感染者数の増え方や、

人口増加と食料不足の関係を考えるうえでも役に立ちます!




ぜひ、今回ご紹介したお小遣いの話とセットで

覚えておいてくださいね!