皆さんは普段、何をしているときにアイデアがひらめきますか?
一般に、学者や芸術家がアイデアを思い浮かぶのは
研究所やアトリエにこもり、机にかじりついて集中している時だと思われがちかもしれません。
しかし実はそういった時ではなく、「散歩中」や「入浴中」といった
リラックスしているときにこそ創造的なアイデアが浮かぶという人が意外と多いのです。
ある研究では70%以上の人が「シャワー中にアイデアが浮かんだ経験がある」と答えたそうです。
また、ベートーヴェンやカント(哲学者)など、芸術家や学者には、散歩を好んだ偉人が本当にたくさんいます。
“集中している時ではなく、リラックスしている時にアイデアが浮かぶ”
このことは、主に二つの理由から説明されています。
ひとつには、リラックスしているときの脳は、集中しているときの脳と別の働きをしている、ということです。
何にも集中していない・ボーっとしている時の脳は、なにも完全に休んでいるわけではありません。
そういうときの脳はむしろ特定のネットワークを活性化させ、記憶や情報の結合をしていると言われています。
この工程によって、新たな思考や発見への道が開かれるようです。
もうひとつには、脳のパフォーマンスの問題があります。
人の創造性は、プレッシャーに大きく左右されると言われています。
「失敗したらどうしよう」「間違えてたらどうしよう」
こういったプレッシャーに思考を阻まれ、自由な創造ができないということです。
皆さんも、怖い先生にジーッと見られながら問題を解くことになって、
頭が回らなくなって固まってしまった経験はないでしょうか。
これも、プレッシャーによって脳の能力が制限されてしまう例と言えます。
そこへいくと、散歩中や入浴中といったリラックスしている時間というのは、
プレッシャーから解放され、脳を十全に使える状況といえるでしょう。
つまり、
・脳が記憶や情報を整理している
・プレッシャーから解放されている
という点から、「散歩中」や「入浴中」にアイデアが浮かびやすいんですね。
以上のことを、学校の勉強にも応用して考えてみましょう。
勉強についても、起きてる時間のすべてを勉強や習い事などにあてようとするのではなく、
何物にも集中していないボーっとした時間を設けることが重要かもしれません。
また、怒られたり失敗したりというプレッシャーを過度に感じさせることも、
子どもの脳の力を制限させることにつながるかもしれませんね。
とはいえ、もちろん以上のことは、集中して勉強した時間があってこそです。
勉強するときは勉強する、休むときは休むというメリハリをつけつつ、
過度なプレッシャーを避けるように意識して、努力を結果につなげていきましょう!